ヘーゲルの国家論にわかりやすい解説を与えることを目指し、「法の哲学」に取り組むきっかけを作る、著者は大河内泰樹、京都大学大学院文学研究科教授、哲学博士(ルール大学)、専攻はドイツ観念論・批判理論、著書「ヘーゲル講義入門」他、
概要
ヘーゲルの死と国家、妻マリーの手紙、アジアのヒドラ=コレラ、死を取り巻いていたもの、はじめにナポレオンありき、ベルリン大学への招聘、フーコーの講演から、医療ポリツァイとは何か・医療化、人々を統計的に把握する、統計学が国家にとって重要な理由、「法の哲学」から見えてくること、著作として、「ェンチクロペディ」と「法哲学」講義録、予防接種は強制できるのか、種痘論争のもとで、「法哲学」の構成、「法」を通じて「自由」になる、一般意思と啓蒙の弁証法、困難な課題をめぐって、市民社会とは何か、欲求の体系という概念、人間は普遍的なものではない、語源から遠く離れて、ポリツァイ(内務行政)学の登場と範囲・対象、様々なリスクへの公共的対処として、医療の近代化・公衆衛生の発展への貢献、同じコインの表裏、幸福に配慮した権力の形、フーコーが「統治性」とよんだもの、群れの中の羊のように、市民社会の限界とは、欲求の体系には欠陥がある、普遍と個別の一致、自由放任政策の問題点、階級の分化を生む、ぺーべルとは何か・浮浪者、市民社会を補完するもの、なぜポリシァイが必要か、隣人愛と慈善活動、「あらかじめの配慮」としての役割、近代国家の課題を乗り越える、フーコーからヘーゲルを理解する、いかなる時に「権利」は制限されるのか、統治の恣意性、洗練された統治がもたらす帰結、「法の哲学」のコンセプト、全体主義」に対する批判、進む監視社会化、リヴァイアサンへの警戒、公共性をいかに復活させるか、もう一つの概念、ペーベル・プロレタリアート・モップ、発展するほどペーベルは生まれる、ヘーゲルのレイシズム、「コルポラシィオン」の登場、市民社会と国家を媒介する、第二の家族としての機能、市民社会に共同性を取り戻す、フランス革命の教訓、「友愛」はいかに消滅したのか、「有機的な国家観」へ、国家は何のために存在するのか、悟性国家から理性国家へ、ヘーゲル国家論への批判、理性的なものは現実的であり・現実的なものは理性的である、国家からいかに個人を守るか、議会は何を代表するか、三つの身分概念、前提としてプラトンの議論、普遍的身分としての官僚、三つの権力ー君主権・執行権・立法権、君主とは誰のことか、君主と主権、複合的な君主制、議会が普遍と個別を媒介する、へーゲルの身分制議会、政治的自立性の条件、持たざる者の利害をいかに代表するか、市民社を代表する議会のあり方、「コルポラシィオン」の大きな役割、国民代表制の問題、ヘーゲルのジェンダー意識、ヘーゲルの民主主義議論と・その課題、大統領制化する行政、二つの方向から執行権を理解する、「コルポシィオン」はいかに現れるか、利害の衝突の場、「ペーベル」問題再論、国家にとっての芸術・宗教・学問、なぜ民主主義を好まなかったか、「対外主権」の根底にある認識、「戦争の人倫的契機」、戦争の中に平和の可能性を見る、世界法廷としての世界史、愛国心はいかに成立するのか、人倫と憲法パトリオティズム、国家はなぜぞんざいするのかについて知りたい方におススメ、
感想
ヘーゲルが直面していた国家は、物理的暴力を行使する権力であり、権力が市民生活の生活の隅々まで介入してきた時代に思考されたもの、
まとめ
ヘーゲルの死と国家、法の哲学から見えてくるもの、市民社会の限界、公共性をいかに復活させるか、国家は何のために存在するのか、ヘーゲルの民主主義論とその問題を考察、私たちの民主主義に関する意識にラディカルに転換を迫るものである、