本書は東京タワー誕生と関連した「マンモスタワー」(東芝日曜劇場枠で放映されたテレビドラマ)に制作・内容について考察したものである、著者は北浦寛之、京都大学大学院人間環境学研究科博士後期課程修了、開智国際大学国際教養学部准教授、専門は映画学・メディア研究、
Ⅰテレビ時代の到来
1東京タワーの建設とその背景、生みの親・前田久吉、広告塔としての東京タワー、前田久吉と正力松太郎の因縁、放送事業への出遅れ、総合電波塔という夢、世界一を目指して、テレビ・映画界からの支援、設計者・内藤多仲、東京タワーの誕生、タワー誕生の反響、
2テレビ時代を導いた人・正力松太郎、正力松太郎という巨人、テレビ放送への序奏、NHKの開局、街頭テレビの成功、日本テレビ塔の展望台、ゴジラ・テレビ塔を襲う、幻の正力タワー、
3初期テレビドラマの困難と成長、ドラマのKRT(東京テレビ),初のテレビドラマ「夕餉前」、制約の多いドラマ撮影、テレビドラマとは何か、芸術祭での競争、実利化・芸術か・「私は貝になりたい」とVTR,「同時性」から「アクチュアリティ」へ、
4映画とテレビの競合、映画黄金期、新作二本立て、テレビの普及映画は渡さない・テレビとの対立、映画スターたちのテレビドラマ出演、テレビ事業へ進出、テレビ映画の制作、
Ⅱマンモスタワーの制作・内容
5ドラマ誕生の背景、「日曜劇場」の歴史、森雅之のテレビ初出演、演出家・石川甫、シナリオ作家・白坂依志夫、白坂脚本の「巨人と玩具」、放送本番に向けて、
6映画会社にはびこる因襲と矛盾ーマンモスタワー考1、東京タワーの不気味さ、映画は「色付き・ワイド」、映画会社の自己矛盾、合理化の推進とその障害、流される者と流されない者、映画愛、
テレビという怪物ーマンモスタワー考2,二本立ての強行、テレビドラマ制作の難しさ、テレビと映画の対比、黒木のテレビ出演、ドラマのハイライト、機械と人間、エピローグ、
変わりゆく映画・テレビ・そして東京タワー、「マンモスタワー」の反響、森繁久弥の提言、新東宝の倒産とその余波、大宝作品の東京タワー、
まとめ
テレビ時代の強行、マンモスタワーの制作で構成、内容で構成、当時の映画とテレビを取り結ぶものが「マンモスタワー」であり、東京タワーはさらなる成長が見込まれるテレビメディアの存在の大きさを物語っているのである、