七夕伝説の研究を基に伝説・古典・行事にみる謎を解く、著者は勝俣隆、京都大学大学院文学研究科修士・博士後期課程で国文学専攻、長崎大学名誉教授、古典文学研究、著書「星座で読み解く日本神話」他、
概要
七夕伝説とは何か・その由来ー中国の七夕伝説、1七夕伝説の発生、2中国の代表的な七夕伝説、なぜ牽牛と織姫の組み合わせになったのか、1牽牛・織姫の変遷、2婺女・牽牛から織姫・河鼓、3牽牛と婺女の原初的組み合わせ、七夕伝説はどこまで遡るか、1三国時代の七夕伝説、2後漢前期から前漢の牽牛・織姫像、3詩経と七夕伝説の関係、4織姫が織物を織らないというモチーフの成立、七夕はなぜ7月7日に行われるのか、1/7月7日の意味、2牛馬さんの意味、3/7月7日は異郷とこの世が繋がる日、4/7月7日は神仙の織女と人間の牽牛が出会う日、織女はなぜ鵲の橋を渡るのか、1織女の霊的性格と鵲、鵲2中国の古代星座・天津が鵲の橋に担当、3黒白半々の上弦の月と・体色が黒白半々の鵲、なぜ天の河を挟んで織女と牽牛が向かい合うのか、1あの世とこの世を隔てる天の河、2天の河と三途の川は機能が同じ、七夕伝説と羽衣と羽衣伝説との類似性・互換性、1犬飼い星と羽衣伝説、2彦星の三つ星とオリオン座の三つ星、3行方知らずのプレーヤドと人間と結ばれた天女、4羽衣伝説と昴、乞巧奠との関わり、1中国で乞巧奠はどのように変化したか、2荊楚歳時記での乞巧奠、3日本での乞巧奠の用例、織女と瓜の関係、1蔓性植物としての瓜と織女との関係、2瓜子姫と織女、3瓜から水が出て天の川になる話、
七夕と日本の古典文学ー七夕をなぜ「たなばた」というのか1七夕は「しちせき」か「たなばた」か、2たなばたの由来懐風藻と万葉集の七夕、1懐風藻、2懐風藻以後の漢詩文、3万葉集、4懐風藻に対する万葉集の独自性、勅撰和歌集の七夕、1古今集、2後撰集から新古今集、3新勅撰集から新続古今集、4万葉集と勅撰和歌集における七夕歌語、うつほ物語の七夕、1七夕の聖数「七」を基調とした物語、2平安貴族の七夕2行事、伊勢物語・大和物語の七夕、1伊勢物語、2大和物語、鵲の橋は日本でどう変化したか、中国における鵲の橋、2日本における鵲の橋、紅葉の橋とは何か、1古今集での紅葉の橋の誕生、2古今集以降の勅撰集等、枕草子・源氏物語・梁塵秘抄・建礼門院右京大夫集の七夕、御伽草子の七夕、1大蛇婚姻譚の御伽草子・七夕、2公家物語の御伽草子・七夕、3御伽草子・おもかげ物語、4御伽草子・毘沙門の本地、江戸時代の七夕伝説、1近松門左衛門・曽根崎心中、2往来物の七夕、3菅茶山の七夕詩、4古今要覧稿
七夕と行事―なぜ梶の葉に歌や願い事を書くのか、1梶の葉について、2万葉集の七夕歌から王朝文学の歌語・梶の葉へ3年中行事等に見られる梶の葉、4散文作品における梶の葉なぜ角盥に梶の葉を浮かべ・二星を映すのか、日本の古典文学に見られる角盥、2中国では七夕の星に何を映したか、七夕と水を巡る行事、1七夕の日に女性がなぜ川で洗髪したのか、2七夕と井戸さらいはどう関係するのか、七夕の日になぜ里芋の葉の露で墨を擦り・歌や願いを事を書くのか、七夕の天気、1中国の用例、2日本の用例、「七夕にかす」とはどういう意味か、1中国の曝衣等、2日本の用例、竹・笹の葉飾りの由来、1中国での用例、2日本での用例、七夕飾りを川や海に流すのはなぜか、1川や海に流すことの意味、2天地接合・天海接合の観念、七夕とそうめん、そうめんとは異なる麦餅、2鬼を調伏するために食べるそうめん、現在の七夕祭り、枚方市・交野市、仙台市、平塚市、三河安城市、七夕伝説の展開と変容・今後の展望、七夕伝説の謎について知りたい方におススメ、
感想
牽牛と織女の組み合わせ、天の川の存在が謎だった、
まとめ
伝説の部で中国の伝説、牽牛と織女、起源、7月7日、鵲の橋、天の川、羽衣伝説、乞巧奠、瓜、古典文学の部でたなばた、懐風藻、勅撰和歌集、うつほ物語、伊勢物語、紅葉の橋、枕草紙、御伽草子、江戸期、行事の部から梶、七夕と水、天気、七夕にかす、竹の由来、川や海に流す、そうめん、現在の七夕祭りを考察、七夕の謎に答える、