黒船来航、日本側資料「墨夷応接録」初の書籍化である、著者は森田健司、京都大学大学院人間環境学研究科博士後期課程単位取得退学、現在は大阪学院大学経済学部教授、専門は江戸時代の社会思想史、著作「石門心学と近代」他、
概略
墨夷応接録初篇、応接係が浦賀に集合、江戸へ向かう艦隊、応接場所の交渉、横浜に決定、交渉決裂は戦争開始を意味する、日米交渉の始まり、アメリカ人士官の死、漂流民の救助をめぐって、交易は交渉の本題にあらず、アメリカからの貢献物、薪水給与場所の交渉、江川太郎左衛門の来訪、補給港は下田と函館、日本からの贈り物とアメリカ船での饗宴、下田の遊歩地域の交渉、領事の駐在に関して、条約内容の検討、日米和親条約の調印、署名の証拠としての筆、江戸へ向かうペリー、われわれは江戸を見た、墨夷応接録二編、応接掛の再始動、下田での協議の始まり、下田での遊歩区域いついて、新しく加わった応接掛、吉田松陰らの密航を阻止した件、謎のアメリカ船情報、アメリカ人による下田の見分、謎のアメリカ船情報誌、指輪を盗んだ武士、下田の波止場に関して、ペリーが伊豆大島検分にこだわる理由、日本で狩猟は禁止されている、箱館の遊歩区域について、箱舘での背信行為、箱舘の遊歩区域は五里四方に、キリスト教関連書と春画、行方知らずのアメリカ船、南海の漂流民、ペリー艦隊の日本人、応接関係者の帰府、幕府のペリーとの応接録に関心ある方におススメ、
英国策論、英国士官サトウ著、第一回掲載分、将軍のみの条約は新たな港は不可能、将軍は日本の君主でない、第二回掲載分、将軍の権威は天皇による上洛で失墜、現行条約は一国を制御する能力をを持たない者と結んだ、第三回掲載分、将軍が条約書に調印は理にかなっていない、現行条約を廃絶し新たに条約を結ぶことが急務、貿易発展と日本の利益のために、英国士官の将軍の権威に関心ある方におススメ、
感想
幕府のペリーとの対等応接と英国士官の日本の権威観が読み取れる
まとめ
墨夷応接録の現代語訳と原文、英国策論の現代語訳と原文、付録の日米和親条約、解説は森田健司、