平安貴族たちがいかに自分の思いを和歌に込めたか、日記の裏に書かれた「詠み捨て」から探る、著者は今井雅晴、東京教育大学大学院博士課程修了、筑波大学名誉教授、東国真宗研究所所長、専門は日本中世史・仏教史、著書「中世を生きた日本人」他、
概要
桓武天皇ー平安京を開いた・文化力豊かな人間性の天皇、1桓武天皇の誕生と青年期の官僚時代、誕生、官僚時代、即位・年号を延暦、2都を長岡京に遷す、3都を平安京に遷す、意欲を示す古歌、百済王明信、若いころの恋人、自ら返歌、4盛んな狩りへの意欲と政治的背景、宗教的・政治的意味、百三十二回、北野の狩りと酒宴鹿、5遣唐使の派遣と送別の宴、遣唐船の隻数、遣唐使励ましの和歌、6新鮮な文化的感覚、ホトトギスの忍び音、菊の花、梅の花と雪を詠む、在原業平ー和歌の名人・政治的にも意欲的に活動、1在原業平の誕生と臣籍降下・結婚、夫婦喧嘩、2四代の天皇に仕える仁明天皇、文徳天皇、母からの和歌に返歌、清和天皇、陽成天皇、3藤原良房・基経との交流、業平・藤原基経の40歳のお祝いに和歌を贈る、4惟喬親王に仕える、狩りをし「あまの河」で酒宴、天皇家の狩場、惟喬親王出家、5業平の死、6伝説化する業平、「伊勢物語」、「古今和歌集」の編集、「日本三代実録」の業平評、藤原頼道ー爽やか・友好的な人格で50年もの政権維持、1誕生、道長・兄の道隆・道兼・甥の伊周と権力闘争、2爽やかな若者頼道、早い昇進、爽やかな若者、3父道長の勢力拡大方針、本家争い、近親者話多数公家にする、息子たちの争い、4頼道の勢力拡大方針、他氏族味方を増やす、和歌を詠む機会を多くする・梅の花・ホトトギス、頼道主催の歌会での和歌―赤染衛門・住吉大社・能因法師、5頼道と頼宗との親しさ、頼宗・頼道に置いてけぼり、6頼道の死、政権掌握、紀貫之-貧乏貴族・ただし宇多天皇に助けられ和歌文化を確立、1誕生と和歌の学び、幼名は阿古久曽丸、和歌で注目、2宇多天皇・貫之を後援、「源氏物語」に登場、宇多天皇・貫之を政治的にも後援、御所での歌会、平安時代の桜、3「古今和歌集」の編纂、宇多天皇の熱意、「古今和歌集」の「仮名序」を」書く、「真名序」、「仮名序」に日本文化へ大きな功績、古今と百人一首に出る貫之の和歌、貫之の応答、宿の主人の和歌、編者ひとり紀友則没・悼む、4土佐日記を書く、土佐守に任命、土佐日記執筆、5幼女を喪う、娘が亡くなる、幼女を悼む、6没、菅原孝標女ー「更級日記」の著者の淋しい人生、1誕生、学者の家柄、2上総国に下る、父とともに上総国に下る、家族で帰京、3淋しい家族、姉の死姉の乳母・実家へ帰る、母出家・家庭内離婚、4祐子内親王に仕える、祐子内親王家で詠んだ春の和歌、秋の和歌、祐子内親王の母を偲ぶ和歌、5橘俊通と結婚、俊通没、淋しい暮らし、6「更級日記」を著す、執筆と最後、友情の苦しい結末、待賢門院堀川ー辛い人生を送った貴族の女性たち、1誕生と父、父の官職は神祇伯、2二条大宮令子内親王に出仕、恋の和歌、和歌の代作、3藤原璋子・鳥羽天皇中宮待賢門院となる、誕生、鳥羽天皇の中宮となる、4「待賢門院堀川」の誕生、出仕し「堀川」と呼ばれる、5待賢門院密通説、崇徳天皇は白河天皇の子、6崇徳天皇の行幸、仁和寺に行幸、待賢門院の法金剛院に行幸、7待賢門院の出家と没、待賢門院堀川・在りし日を偲ぶ、8待賢門院堀川・夫と死別、子供を父に預ける、9没、藤原忠通ー院政に協力して摂政・関白を守る、1誕生、氏長者、白河法皇の猶子となる、院と院政、2鳥羽天皇の治世下の忠通の活躍、治世下での忠通の和歌・水鳥・恋、関白・左大臣に任命される、鳥羽天皇退位、白河法皇・鳥羽上皇の花見、3崇徳天皇の治世下で、関白となる、娘の聖子を崇徳天皇の中宮にする、忠通の和歌・海上遠望・牡丹、4中宮亮藤原顕輔との交流、顕輔に贈った和歌、近江の国に寄せる和歌・近江国・志賀の唐崎、崇徳天皇と忠通不忠、5近衛天皇の治世下で、関白、忠通と頼長との争い悪左大臣頼道、6保元の乱、近衛天皇没、7晩年の忠通とその没、最晩年の歌会、出家と没、平忠盛ー息子清盛の大発展を準備する、1誕生、桓武平氏、2忠盛・北面の武士として白河上皇に仕える、従五位下に叙せられ地方国司を歴任、賀茂社の新舞人、3白河上皇没・引き続き鳥羽上皇の信任を得る、4瀬戸内海に勢力を伸ばす、備前守、海賊追討使、西国での活躍中の和歌、5鳥羽上皇に内裏への昇殿を許される、殿上人、崇徳上皇のもとで和歌、鳥羽上皇に正四位に叙せられる、6忠盛の没、平安貴族の和歌に込めた思いを探る、
感想
具中歴の裏側に詠んだ和歌を書き込んだ平安貴族たち、社交上の和歌と違った思いが伝わってくる、
まとめ
桓武天皇、在原業平、藤原頼通、紀貫之、菅原孝標女、待賢門院堀川、藤原忠通、平忠盛を考察、公の和歌の世界にはない平安貴族たちの思いが伝わる、