植物民俗

農山村の人々の暮らしや生き方に自然との結びつきが希薄になり、逆に都会では自然志向ブームが広がる、本書は野山の植物と接し利用してきた人々の暮らしの姿を書き残したものである、著者は長沢武、長野県白馬村生まれ、村役場就職・教育長を経て現在アルプ自然研究所長、白馬村文化財保護審議委員、

植物俚言集

1封建社会の名残を示す俚言、嫁殺し、婿泣かせ、婿ダマシ、嫁泣かせ、嫁残し、小僧泣かせ、小僧殺し、夜這い草、2季節の到来や旬を示す俚言、雪割草・雪割花、彼岸花春、時知らせ、春告花、さずい草、半夏層、彼岸花秋、ののつけ花、麻蒔き桜、田打桜、種蒔き桜、田こなし花、田植えグミ、田植えイチゴ、田植え花、早乙女花、ソバ蒔きイチゴ、カッコ草、ヨーラミ、マスの花、オイヨ花、ぺカンぺクッタル、オバナダコ、雪の下、3食用植物の俚言、アサギリソウ、アマドコロ、イタチササゲ、イヌビユ、イヌドウナ、ウアバミソウ、エビラフジ、オトコエシ、オンタデ、カラハナソウ、ギボウシ、クサソテリナ、コウゾリナ、カラマツソウ、シデシャジン、ソバナ、ダイモンジソウ,タムラソウ、タンポポ、チガヤ、ツリガネニンジン、ツリバナ、ニリンソウ、ハンゴンソウ、フタバハギ、マツムシソウ、ミヤマイラクサ、モミジガサ、ヤブカンゾウ、ユキザサ、ヨツバハギ、ヨブスマソウ、リュウキンカ4嫁さん・婿さんの植物、嫁のかんざし、嫁の患者し、嫁の箸、嫁の塗り箸、嫁様のコーモリ、婿様のコーモリ、嫁の傘、婿の傘、5生活に有用な植物の俚言、紙漉用の粘液を採った植物、鳥などを捕まえるもちを採った木、香剤とした植物、お歯黒染を剤を採る木、護摩に焚く木、殺虫剤となる植物、薬効の優れた植物、ほうきを作った木、生活用具を作った植物、生産用具を作った植物、6姿・形にふさわしい名称、花の形や特徴から、葉の形や特徴から、実の姿や形の特徴から、子供の遊びから、植物全体の姿や利用特性

暮らしの知恵が生んだ植物利用法

1建築材や民具剤として、建築材と地域特性、民具材と人々の知恵、2衣類や紙も草木の皮から、古代布の植物たち、その他の繊維植物、スゲ・ガマ、その他の樹皮利用、和紙の材料とネリ植物、3山野草の食用利用、山菜、食用・薬用の木の実、食用特産品、4民間薬と植物、切り傷・止血薬、打身・打撲、胃腸カタルなど急性下痢、腫物の吸出し、とげ抜き、目薬、いぼ取り、がん予防と制がん、扁桃腺、あかぎれ、やけど、アイヌの民間薬と民間療法、5染料植物とその利用、万葉人の染色法と染料植物、民間での染色と利用植物、お歯黒の材料植物、6毒流し・鳥もち・蠟・接着剤・火口など、殺虫剤‣駆虫防虫剤、毒流し、鳥もち、いぼ取や戸滑り用の蠟をを採る木、接着剤を採る植物、火口材、附木・マッチ材、洗剤、落とし紙と捨木、7一本ぞりの発明、一本ぞりの仕組みと操作法の特徴、分布域と伝播の状況、材料と地域の特性、8キノコ、キノコと方言、毒キノコあれこれ、暮らしとキノコ、

子供の遊びと身近な植物

1子供は遊びの天才、2子供の遊びと身近な植物、花を使った遊び、葉を使った遊び、茎を使った遊び、実を使った遊び、枝・皮を使った遊び、その他の部位を使った遊び、3草木遊びと唄や呪文、アケビの雌しべ遊び、オキナグサの手毬、オオバコの引っ切り遊びの唄、ごんがら舟と塩買いの唄、松葉の踊り、コオゾリナのいたずら、

信仰と植物

1自然との共存共生の中から、縄文人の暮らしと自然、自然崇拝の発生と発展、アイヌ社会に見る自然崇拝思想、2農業の進展と自然崇拝思想の定着、稲作や畑作物と天候、予祝と年中行事、年中行事に見る他の神信仰と植物、農事・天候の目安や占いと植物、3信仰と植物、聖なる植物、植えることを嫌ったり喜ぶ植物、厄除け・病気除けと植物、香剤、灯心や灯明油を採った植物、土葬とオオカミ除けの弓挿し、

植物と山村の暮らし12カ月

ー昭和10年代の北アルプス山麓からー

1月、歳神様を飾る、仕事始め、七草かゆ、若木迎えと物作り、小豆がゆ・鳥追い、どんど焼き、2月、お田植え、くるみ餅、山の神祭りと山の講、かんじきとそり作り、炭俵編み・みの作り、3木出し、彼岸庭開き、春木伐り、枯れ枝かき、4月、雪囲い外し、山焼き、炭焼き、ぼやまるけ、屋根の葺き替え、麻の種蒔き、桑棒伐り、5月、木起こし、青物採り、苗代締めと種蒔き、6月、五月の節句、草刈り・刈敷刈、農休み、青物採り、山の口開け、7月、木の実採り、雨乞いと千駄焚き、泥虫除けとほうそう流し、洪水除けと橋木山、下草刈り、8月、薬草採り、高灯篭、白樺の皮採り、盆花採りと盆棚飾り、はせ木伐り、青箸とり、9月、はせ結い、木の実採り、キノコ採り、10月、キノコ採り、カヤ刈り、春木流し、11月、カヤ寄せ、薪寄せ、雪囲い、漬物と冬ごもりの準備、12月、一日儲け、松迎えと正月の用意、

まとめ

植物俚言集、暮らしの知恵が生んだ植物利用法、子供の遊びと身近な植物、信仰と植物、植物と山村の暮らし12カ月(白馬村)で構成、70歳になった著者の植物に関する民俗的事柄をまとめたもの、

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