本書は西サモアの調査と世界各地に散らばるサモア人の存在に着目・伝統文化とグローバル化・オセアニア世界を描いたものである著者は山本真鳥、法政大学名誉教授、専門はオセアニア研究、日本文化人類学会・日本オセアニア学会会長歴任、
脱植民地化と文化の創造
太平洋芸術祭の始まり、太平洋芸術祭の中身、背景としての植民地史、伝統文化の受けた打撃と復興、差異化と新しい文化の創造
ラグビー・ラグビー
ポリネシア人とスポーツ、日本の外国人ラグビー選手、オールブラックスのポリネシア系ラグビー選手、太平洋系ラグビー選手のトランスナショナリズム、ラグビー選手のライフサイクル、
文化としてのタトゥー
ポリネシアとタトゥー、サモア人とタトゥ―、タトゥーと先住民運動、日本人とタトゥー、
サモアのお金・ファイン・マット(編み物)の謎
首長の悩みは儀礼交換、ファイン・マットの海外流出、ファイン・マットの粗悪化、ファイン・マット生産、ファイン・マット復興運動、女性の現金収入とファイン・マット、麗しのファイン・マット
オセアニアのお金の話
クラ交換、オセアニアの交換財・または伝統的貨幣、お金って何だろう、通貨制度とアイデンティティ、
航海術の復興
ポリネシア人はどこから来たのか、アウトリガー・カヌー、沖縄海洋博とチェチェメニ号、ホークーレア号、ポリネシア各地の復興カヌー、地球温暖化とカヌー、
日本に建ったサモアの家
リトルワールドとサモアの家再築、サモアの伝統家屋ファレ・テレ、落成式ウム・サーガの式次第、サモアの家と暮らしの哲学、オークランドの大学のファレ・パシフィカ、現代に生きるサモア式建築
2本の「モアナ](大海)映画
フラハティとドキュメンタリー映画、「モアナ・南海の歓喜」とフラハティ、ディズニー映画「モアナと伝説の海」、ディズニー「モアナ」の評判、モアナの人々、
「ファミリーツリー」とハワイの土地
映画「ファミリーツリー」、信託制度とハワイの土地、グレートマヘレと土地の私有、サトウキビ産業の繁栄のあと、パウアヒ姫の願いとカメハメハ・スクール、信託制度とポリネシア的土地所有、
太平洋諸島と疫病
太平洋諸島の人口減少、カメハメハ2世の悲劇とハワイの継続的な人口減、ラバヌイ島の悲劇、サモアの苦い経験と現在、騒動後
オセアニアの環境・沈む島とゴミ問題
環礁(アトール)の誕生、沈む島ツバル、サモアの廃棄処理問題、オセアニアの廃棄物処理問題へ
クーデターと民族紛争
欧米からの独立、3度あることは4度あったフィジーのクーデター、ソロモン諸島の民族紛争、ブーゲンビル等分離独立問題、オセアニアの紛争、
オセアニア・アート
オセアニアアート・あるいは骨董品・珍品、古典的オセアニアアートの世界、博物館とオセアニアアート、日本のオセアニアアートのコレクター・今泉翁の夢、オセアニアアートの新たな展開へ、
オセアニアの現代アート
ユキ・キハラとそのアート、ニュージーランドのオセアニア系移民アーティスト、フィジーのレッド・ウエーヴ運動、サモアでアーティストになること、頑張れ・オセアニア現代アーティスト、
オセアニアの観光開発
観光産業の発展と観光人類学、ハワイの観光開発・太平洋戦争以前、ハワイの観光開発・「砂糖もどき」から主たる産業へ、サモアの里帰り観光、ヴァヌアツの元祖バンジージャンプ、観光と文化の商品化
遺骨等の返還・文化財の返還
植民地主義下の収集と博物館、先住民運動と遺骨返還の動き、マオリのトイ・モコ返還、文化財の返還へ、
まとめ
脱植民地化と文化の創造、ラグビー・ラグビー、文化としてのタトゥー、サモアのお金・ファインマットの謎、オセアニアのお金の話航海術の復興、日本に建ったサモアの家、2本の「モアナ」映画、「ファミリーツリー」とハワイの土地、太平洋諸島と疫病、オセアニアの環境、沈む島とゴミ問題、クーデターと民族紛争、オセアニア・アート、オセアニアの現代アート、オセアニアの観光開発、遺骨等の返還・文化財の返還で構成、本書は弘文堂のウェブマガジンの記事を書籍化したもの、エッセイ集であるが堅いかもしれない、