江戸で生まれた「博物学的思考」に広がりが「妖怪図鑑」を生み出した、妖怪の認識の変容を探る、著者は香川雅信、大阪大学大学院文学研究科後期課程単位取得退学、兵庫県立歴史博物館学芸課長、
概要
古代・中世の妖怪の名づけ、鬼か神か狐か木塊か、日本書紀の邪しき神、風土記の荒ぶる神、祟る神、鬼と神、日本霊異記の鬼、今昔物語の鬼、神観念の変容、今昔物語の怪異の主体、鬼か神か狐か木魂か、名づけの不在、人倒す蝦夷、怪鳥・人魂・光物ー怪異としての妖怪、名無しの怪物・鵼、太平記の怪鳥、日記のなかの怪異、看聞日記の怪異、怪異としての妖怪、凶兆としての人魂、光物のさまざまな正体、名づけられぬ怪異、鬼魅の名はー妖怪と俳諧ネットワーク、凶兆から物へー髪切り、寛永の髪切り、江戸幕府と怪異、徳川家康と怪異、寛永元年・無効化する怪異、モノとしての髪切り、描かれる髪切り、古今百物語評判と俳諧、17世紀における妖怪名称、古今百物語評判と山岡元隣、雪女と俳諧、俳言としての妖怪名称、鬼魅の名は、見越し入道、轆轤首とうぶめ、付合と妖怪、仁光坊の火、宿直草と俳諧、妖怪名称と俳諧ネットワーク、松尾芭蕉の妖怪趣味、姥が火をめぐる俳諧ネットワーク、河内の姥が火、河内 鑑名所記の姥が火、いくつもの姥が火、怪異の日常化と妖怪の名づけ、怪火見物、王子の狐火、不知火、日常化する怪火、怪異の日常化と名づけ、増殖する妖怪、怪火と詩歌、摂陽群談の怪火、歌枕としての怪火、元禄俳諧と怪火、怪火を詠む、星鬼の火、諸国里談と怪火、三州奇談と蕉風復興、地方文人の奇談収集、三州奇談の成立、名づけへのこだわり、妖怪を名付ける知識人、三州奇談と芭蕉の句、蕉風復興と奇談収集、露船の発句、余剰と伝承、蕪村と妖怪、俳人の奇談収集、ロールモデルとしての芭蕉、集成される妖怪・創造される妖怪、地誌としての諸国里人談、俳諧と博物学、蕉門へのシンパシー、諸国里人談の俳諧ネットワーク、片輪車、油坊、諸国里人談から妖怪図鑑へ、俳人・鳥山石蒸、妖怪図鑑と俳諧、百器徒然袋と徒然草、煙々羅、俳諧と江戸の妖怪爆発、怪異にゆくえ、名付けられる怪異、柳原紀光と怪異、ちかごろ怪異を申しあくること・時義にかなわす、陰陽師土御門晴親と怪異、名付けられる怪異、怪異を名付ける、時鳥の怪異、がんばり入道、予言獣ーみずから名乗る怪異、神社姫、予言獣、忘れられたデーターベース、怪異観の変容と妖怪の名づけ、俳諧と妖怪名称、手斧梵論、手斧梵論と川柳、妖怪の名づけを知りたい方におススメ、
感想
妖怪観は恐れから無害なものに変わり好奇心の対象
名づけは可能にするための手続き、役割を果たした俳諧
まとめ
古代・中世の妖怪の名づけ、鬼魅の名はー俳諧ネットワーク、増殖する妖怪、怪異のゆくえ、忘れられたデーターベースを考察、神秘的力の発現から博物学的思考に変容、名づけは俳諧ネットワーク、今日のキャラクター観につながることを探求した、