中国の正史は紀伝体、日本では本紀のみ、そこで平安貴族列伝を取り上げる、著者は倉本一宏、東京大学大学院人科学研究科博士課程単位習得退学、国際日本文化センター名誉教授、専門は日本古代政治史、著書「一条天皇」他、
概要
「日本後記」 藤原継縄、右大臣昇格、藤原氏の嫡子の嫡子の嫡子,父や弟の失脚にも咎められず、桓武天皇との意外なつながり、善珠、噂の真相、大胆な民間の噂とは、37歳にして母と初対面した聖武天皇、羽栗翼、唐からの帰国子女の正体、日本への思いが込められた名前、兄弟のその後、行賀、唐で実力をつけた僧・行賀、行賀を襲った悲劇の理由、和家麻呂、百済系氏族が生母の桓武天皇の外戚、渡来系氏族として初の議政官就任、藤原乙叡、政変に翻弄、父は右大臣に出世した継縄、藤原仲成、天皇の後継争い、順調に出世した藤原式家の貴族、死は自ら招いたことである、真の首謀者は、藤原縵麻呂、野心家の異母兄とは正反対の正体、藤原友人、出世した兄たちとは正反対、仙人、伴弥嗣、困った性癖、名族だった大伴氏の子孫、紀長田麻呂、古代豪族の名門・紀氏の庶流、珍しい官人、紀末成、20歳で異例の大出世、地方官止まり、安倍真勝、安倍晴明が子孫と称する名族、佐伯清岑、大伴氏とともに軍事を掌る名氏族、藤原継彦、当初から振るわなかった藤原京家の始祖、酒人内親王、政争に翻弄、美麗で柔質・倨傲でも天皇は咎めず、遺言状に見られる死生観、藤原真夏、藤原北家の嫡流の長男・真夏、勝者の側からの後ろめたさの象徴、官暦抹消、藤原世嗣、律令制官人の一つの理想型、
「続日本紀」 空海、続日本後紀に書かれた空海の生涯、空海の入定伝説、甘南備高直、皇親氏族、当時では長身の六尺二寸、池田春野、古代の大豪族・上野毛朝臣と同族、藤原常嗣、藤原北家の官人として順調に昇進、二度の渡航失敗と小野篁との対立、藤原三守、自らの力で運命を切り拓く、嵯峨天皇の即位と共に辞官、最澄・空海とも交流、紀深江、地方政治の立て直しを任された良吏、高階石河、臣籍に降下した氏族・高階氏の石河、菅原清公、凶礼を掌る土師氏であった菅原氏、空海・最澄とともに唐へ、和風の名前を唐風に改正、天皇のみならず貴族からも愛される、文章博士の世襲が招いた功罪、笠梁麻呂、吉備氏から分かれた氏族・笠氏、伴知足、多数の処罰者を出し・衰退した伴氏の官人、大野真鷹、軍事氏族として知られる大野氏、文室秋津、軍事官僚、承和の変に連座して左遷、藤原緒嗣、北家より式家が有力だった藤原氏、菅野真道と徳政を論じる、守印、才能が出世の妨げになった、善道真貞、行政官になった学者、令義解の編纂にも従事、藤原吉野、退潮する藤原式家、淳和天皇に仕える、和気真綱、最澄・空海を保護、道教事件・和気清麻呂の五男、禍福は糾える縄の如し、良岑木連、桓武天皇の皇子・安世から始まった良岑、藤原嗣宗、天皇の労いに感激して涙を流す、藤原北家傍流、平安京に生きた貴族たちの実像について知りたい方におススメ、
感想
人を語れば世を語る、列伝から見える平安京の時代、
まとめ
六国史のうち「日本後紀」・「読日本後紀」の列伝を扱う、中国正史の列伝のような広範な人々の伝記は知ることができなかった、