足元の地域を知ることが自分を知ることにつながる、本書はこの考えに基づいて地域学入門書がつくられた、著者は覇山下裕介、九州大学大学院博士課程中退、弘前大学准教授を経て現在は東京都立大学教授、専攻は都市社会学・地域社会学、環境社会学
1地域が生まれる条件、生命を育む場としての地域、どこかからおとずれ・定着することから地域は生まれるー縄文時代、定着の条件ー土地・水・エネルギー、小さな国としての地域の始まり―弥生時代、2地域の原型としての江戸時代、江戸時代までに多くの地域はつくられた、地域間の格差の形成と分業化、3生命の営みから村々
を見る、折笠村の場合「事例1」、田茂木村の場合「事例2」、村のなりあい、4町と都市を考える、生命の営みとして、城下町
の土地と水ー弘前城「事例3」、交通ー食料とエネルギーの運搬、5地域をつなぐ道、道という生命維持装置、地域の結節点としての都市、道はさらに都につながる、都市の移動・城館の盛衰、山陽道の変遷「事例4」、道沿いの町の生成と記憶、6生命の場として地域、分業の中の多様な地域、様々な生業、生命の営みと社会・文化
社会の章
1人口集団としての地域ー自然と社会、人は社会の中に生まれる、人口の量と構成をを決定するものー自然増減と社会増減、地域の人口学、2社会の発展と地域の歴史、国が地域をつくる、国々の発生国家統一ー弥生時代の開発と戦争、ローカルな力が地域を作るー勢力の統一化と分散化、三つの伝統的社会集団ーいえ・むら・くに、家‣村・国の変化として歴史ー弘前藩の場合「事例5」、3家と村、生活共同集団としての家、結婚・出生・継承、家々が集まって村をつくる・町をつくる、砂子瀬村の場合「事例6」、山村の暮らしと家々の共同、村の集団、①自治集団、②生産集団、③生活集団④文化教育集団、⑤宗教集団、⑥政治集団、4町と町内社会、町と家、上土手町の場合「事例7」、学校・道路・神社・アーケード、町内社会の形成とその意味、会社という家ー「家連合=村」としての都市、5都市と国家、都市についてーみやこ・いち‣まち、城下町と町々・村々、江戸・京・大坂という広域機能都市、6近代国家がつくる新たな地域、西欧からの近代化の導入、社会が一つになっていく、地方自治体の形成とその変遷、小さな国家ー地域としての自治体、この国の本質はどこに、
歴史と文化の章
1文化というもの、文化集団としての地域、地域と国家の力がせめぎあう構造、2歴史と文化から村や都市を考える、大川原村の場合「事例8」ー火流しの由来、マタギの村ー山村の信仰、城下町・弘前の文化的構成「事例9」、都市の祭りーねぶた祭り「事例10」,都発のものと地域発の物、方言と気質ー地域に共有される物語、文化を構成する信仰と歴史、3祈りの場、過去と未来を現在につなぐ祈り、神社のこと、地域のくらしー祈りの場と神、広域の中の神様ー岩木山の場合「事例11」、地域の中の信仰の形を読み解く、人が神になる、氏子組織と祭祀、お寺のこと、死後の世界と祖先崇拝、人と土地をつなぐ信仰、ー国家と地域の強い絆、日本の神・西洋の神、4歴史をたどる、先祖にたどる地域とのつながり、地域は歴史の中にあるー文献・遺跡、遺物・神社など、①文献資料②遺跡・史跡、③遺物資料・民俗資料、建造物、④神社・寺院・古碑・古道、地域に残る主観的資料、①伝承と伝説、②祭りと芸能、七戸・十和田周辺「事例12」、馬産・奥州街道・つぼのいしぶみ、二ツ森貝塚、過去と未来・国家とのつながりに地域を見る、文化の中に生きるーその変化の大きさを考える、5地域を伝えていく機構、学校の機能、公民館と地域、博物館と文化行政、変化の起点はどこか、
変容の章
1大変容の中の私たち、近代化を地域学の対象にする、産業化と軍事化ー明治維新から太平洋戦争まで、戦後も続く挙国一致体制、日本の人口転換と人口減少問題、生まない社会をつくり出したもの、私たちはどこに行くのかー新しい事態、2生命を成り立たせるものの変化、水と土地利用の変化、移動と交通の変化ー小さな環境から大きな環境へ、エネルギー供給と物質循環のグローバル化、3二十一世紀にたどりつくもの、ハイブリッドな社会と循環、人間の変容と郊外ー国家と個人しかない認識へ、学校とマスメディア、地方紙について、個人と地域と国家、コスモポリタニズムと国家ナショナリズム、国家ナショナリズムから地域ナショナリズムへ、地域の殻が破られる、4抵抗としての地域学、西欧近代化との出会いとどう決着をつけるのか、手元に問題解決する手段を確保しておくこと、地域学から始めよう、
まとめ
生命の章、社会の章、歴史と文化の章、変容の章で構成、内容は東京都立大学での講義がもとになっている、若い人向けである、