悪の凡庸さを問い直す

本書は日本アーレント研究会19回大会で「悪の凡庸さは無効になったのか」シンポジウム、報告者は香月恵里・ドイツ文学研究者、田野大輔・ドイツ現代史研究者、三浦隆宏・哲学研究者、司会は矢野久美子・アーレント研究者、72回日本西洋史学会「続悪の凡庸さは無効になったのか」シンポジウム、報告者は田野大輔、百木獏・アーレント研究者、中村雄輝・社会学研究者、司会は小野寺拓也・ドイツ現代史研究者、2回分のシンポジウムを書籍化したものである、(中村氏の論文は事情あり集録できず)、

悪の凡庸さをどう見るか

1「悪の凡庸さ」は無効になったのか―エルサレム以前のアイヒマンを検証する―香月恵里、はじめに、①アルゼンチンのアイヒマン、②戦後西ドイツ、③イメージ操作と出世欲、④第三帝国とアイヒマン、⑤悪の凡庸さは無効になったのか、

2「机上の犯罪者」という神話ーホロコースト研究におけるアイヒマンの位置づけを巡って―田野大輔、はじめに―アイヒマンは凡庸な役人だったのか、①アーレントとヒルバーグの確執、②何が「凡庸」なのか、③机上の犯罪者のイニシアティブ、おわりに、

3怪物と幽霊の落差ーあるいはバクテリアが引き起こす悪について―三浦隆宏、①大言壮語・決まり文句の頻用、②思考する能力の不足・あるいはモノローグ的思考構造、③誇張と化身のメカニズム、④悪の凡庸さが提示する問題、⑤アイヒマンが示す教訓、

4悪の凡庸さをめぐる誤解を解く―百木獏、①「書かれてもいないこと」をめぐる論争、②代表的な誤解を解く、悪の凡庸さは歯車理論を指すものではない、思想欠如はアイヒマンが何も思考していなかったことを意味するのではない、ミルグラムは実験は悪の凡庸者を証明したものではない、③結局のところ・悪の凡庸さは何を意味していたのか、④アイヒマンの「浅薄さ」、⑤「昂楊感」の追求・結語、異常に浅薄な人物こそ悪の凡庸さ、

悪の凡庸さという難問に向き合う

ー思想研究者と歴史研究者の対話

1悪の凡庸さ・アーレントの理解ををめぐって、2アイヒマンの主体性をどう見るか、3社会に蔓延する悪の凡庸さの誤用とどう向き合うか、

まとめ

悪の凡庸さをどう見るか、悪の凡庸さは無効に鳴ったのか、机上の犯罪者という神話、怪物と幽霊の落差、悪の凡庸さをめぐる誤解を解く、座談会、悪の凡庸さ、アイヒマンの主体性、社会に蔓延する悪の凡庸さの誤解とどう向き合うかで構成、アイヒマンはなぜ命令を遂行したのか、その理由を主観的要因と構造的要因の絡み合いのなかで究明することは、罪と責任の所在を突き止める上でも必要である、

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