生きづらさの民俗学

本書は差別・排除・生きづらさに民俗学的視点から考察したものである、

Ⅰ生きずらさと民俗学

生きづらさと差別―川松あかり

はじめに―生きづらさに満ちた現代、1現代日本における「生きづらさ」とはなにか、2「生きづらさ」と「差別」、3普通の中にある「差別」とわたしたちの「生きづらさ」、4わたしたちの被っている「生きずらさ」から問いはじめるー加害者VS被害者の二項対立を超えて、おわりに―「生きづらさ」を他者との」結び目に

民俗学と生きづらさー及川祥平

はじめに、1民俗学は何をどのように考えるか、民俗学の思考法、柳田国男と生きずらさ、2民俗学の差別研究の展開と展望、民俗学の複数性、現代民俗学の差別研究、3生きづらさの民俗学へ、「生きづらさ」を問う、「何故に我々は」、むすびに、

生きづらさとインターセクションー辻本侑生

1生きづらさの個別性を理解するために、2インターセクショナリティとは何か、3「1+1」ではない生きづらさの経験を理解する、4異なる属性が交差する状況を理解し・自分事として捉えること、5これからの民俗学とインターセクショナリティ、

Ⅱ生きづらさを民俗学する

選べない出自と阻まれる職業選択ー岡田伊代

はじめに、1歴史的背景ー被差別部落と仕事、2近代と職業選択―法整備と日常のギャップ、3晒される被差別部落と顔の見えない関係、おわりに、

多文化共生社会の中の生きづらさー川松あかり


はじめに、1単一民族国家日本?2現代日本の少子高齢化と外国人労働者の受け入れ、3「多文化共生」の表と裏、4民俗学的な多文化状況の研究、おわりに、コラム1、学歴と格差・地域差、

ジェンダーとセクチュアリティー辻本侑生

1にちじょうの光景からジェンダー・セクシュアリティを捉える、2フィールドワークの現場からジェンダーを考える、3ジェンダー・セクシュアリティ規範による「生きづらさ」を捉える
、4生きずらさに寄り添いつつ・違った仕方に向けた民俗学へ、

エイジズムー及川祥平

はじめに、1老いてあること/若くあること、2高齢者への偏見と民俗学、3若者をめぐるエイシズム、おわりに、コラム2自己実現をせまる社会における押し活、

病気と差別ー今野大輔

1意味づけされる病気、2恥としての病気、3家筋としての病気、4病気と差別、

差別に対する患者たちの抵抗と紐帯ー桜木真理子

はじめに、1病気を通じて生まれるつながりー^患者運動・患者団体・セルフヘルプグループ、2知識の共有と名づけ、コラム3、都市の見えづらい分断、コラム4ラジオ番組に集う視聴覚障碍者たち、

暮らしと障害ー入山頌

1民俗学と障害、わたしの日常と障害、民俗学の中で論じられてきた障害、2障害者の暮らしにおける「自立」、3同じ地域でともに暮らす、

ケガレー今野大輔

1ケガレの発見、2肉食とケガレ、3死のケガレと産のケガレ、4ケガレの限界、付記、

災害と生きづらさ

はじめに、1被災時のこと、2被災地のこと、むすびに、

Ⅲ生きづらさに迫る

話者と見つける研究視点-岡田伊代

はじめに、1東京の皮鞣しの町、2一枚岩ではない人々、3イレギュラーな調査依頼、4「差別を語らない人」たちの語り、おわりに、

わからなさと交差点ー桜木真理子

はじめに、1国立ハンセン病療養所粟生楽泉園へ、2ハンセン病患者への差別と隔離政策、3生活史から開かれてゆく過去、4生活kら身体へ―問いの変容、5文献資料とフィールドワークの往復、6過去に踏み込む難しさ、7わたしと他者の人生が微かに交差するとき、おわりに、コラム5,セクシュアリティ研究の難しさと意義、

旧産炭地へのフィールドワークー川松あかり

はじめに、1「筑豊」の語りやすさと語りがたさ、2今・筑豊に炭鉱のはなしを聞きに行くことの楽しさと厳しさ、3話し合いの場をつくる、4黙って草を刈る、おわりにーことばによってことばにならない者を共有するために、

被災地へのフィールドワークー辻本宥生・及川祥平

1正反対のフィールドワーク体験から考える、2通い続け・関わり続ける被災地調査、3「震災の調査をしない」被災地調査、4「自己」を問い直しながら「調査」をする・ということ、コラム6,地域コミュニティを取り巻く生きづらさ、

生きづらさへ資料からアプローチする―辻本宥生

1生きづらさを資料から捉えるには、2地域を限定した歴史民俗学的研究―鹿児島の「男性同性愛」研究の例、現地に行く前に資料を集める、現地の図書館に行ってみる、過去の研究者の旧蔵資料を参考にする、集めた資料をストーリー化し・思い切ってまとめる、3リアルタイムに出現する資料を活用するー性的マイノリティの現代民俗学的研究の試み、行政資料の活用、ソーシャルメディア上の資料の活用、専門雑誌・ミニコミ誌、ZINE等の活用、4資料から描く「生きづらさ」のリアリティ、

民俗資料から生きずらさにせまるー今野大輔

1柳田文庫のこと、2フイールドワークの難しさ、3文献を求める、4民俗資料を探す、5地域研究にあたる、6歴史資料に触れる、7専門資料を求める、8生きづらさと向き合う学問、

まとめ

生きづらさと民俗学、生きづらさを民俗学する、生きづらさに迫るで構成、本書の執筆陣は2015年から有志で運営してきた「差別研」のメンバーである、

執筆者、入山頌、首都大学東京大学院人文科学研究科博士前期課程修了、在野研究、及川祥平、成城大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学、成城大学文芸学部准教授、岡田伊代、成城大学大学院文学研究科前期課程修了、福井県立若狭歴史博物館学芸員、川松あかり
、東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得退学、九州産業大学国際文化学部講師、今野大輔、成城大学大学院文学研究科博士課程後期修了、桜木真理子、大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程、慶應義塾大学理工学部非常勤研究員、辻本宥生、弘前大学地域創生本部助教、奈良場春輝、筑波大学大学院人文社会ビジネス科学院博士前期課程修了、民間シンクタンク勤務、藤崎綾香、筑波大学大学院人文釈迦科学研究科博士課程、三上真央、筑波大学人文・文化学群人類学類卒業、民間企業所属、

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