はじめてのヘリテージ建築

ヘリテージ建築とは完成から長きにわたって人々に愛され、今も心地よく使われている建築物、利用者の記憶を継承、つくり手の思いを伝えるもの、本書の取り上げた20件は日建設計が関わっている、楽しみかた絵で見るナビゲート、著者は宮沢洋、早稲田大学卒業、日経BP社入社、2021年ブンガネット設立・代表兼編集長、案内人は西澤嵩雄名古屋大学大学院修士課程をへて日建設計入社、現在は同社のヘリテージビジネスラボダイレクターファシリティコンサルタント、

変化を楽しむ

1中部電力MIRAI TOWRー設計・内藤多仲、タワーの中にホテル、古城にも似たSLHの特別感、足元の「抜け」はエッフェル塔級、

2茨木県立図書館ーまずは「1度めの再生」の閲覧室から、旧議場の大胆な使い方に驚く、議事堂の設計は日建設計の林昌二チーム、「2度目の再生」は温かみのあるカフェ、

3国立西洋美術館本館と前庭ール・コルビジェ設計、1年半の大工事で変わったのは、前庭の目地割りを「モデュロール」に、そもそも「モデュロール」とは黄金比・ル・コルビジェ考案、実は極めて合理的だったモデュロール、本館の中も外もほとんどがモデュロール、

4東京メトロ銀座駅ー不満が多かった銀座線を刷新、初の地下鉄ゆえに小さいトンネル、邪魔なものを取り除き見通しを良く、天井写真に隠された「形の遊び」〇、影が薄い銅像は東京の大恩人・早川徳次、

5京都市役所本庁舎ー武田五一設計、あだ名は「インゴーゴイチ」、新設された屋上庭園でビックリ・ネオバロック、ライトと武田の深いつながり、独自の装飾を目指したライトと武田、本庁舎は免震改修のうえ、意匠を再現、建て替え部はすっきりデザイン、武田によるモダニズムの傑作/大阪御堂筋線の駅、

6新宿住友ビル三角広場ータワーの足元にガラスの大屋根、アトリウムは自立している、四半世紀前から理想像を追求、使いながらの工事を可能にしたアイデア・新たな制振システム、

7秋田市文化創造館ー美術館建設が戦争でとん挫・戦後にリベンジ、別名「平野政吉美術館」、安藤忠雄氏の新美術館から見ると、三角天井は世界のANDO、コロナ禍に再オープン「秋田市文化創造館」に、よくある保存でない2つのポイント、この場所に必要/公立美術大学の教員をプロジェクトに巻き込む、「幻の美術館」の模型にまたびっくり・新秋田県立美術館に幻の平野の藤田美術館の模型

物語に出会う

8米子市公会堂ー村野藤吾設計、市民アンケートで「存続派」が多数、弱点の屋根をつくり変える、「変えない」ためにタイルで工夫、新たに知った2つのエピソード、ホワイエや外部バルコニーに付けられた落下防止手すり・外観は「キャデラックの後ろ」説、

9原爆ドームー未来のために「可逆的」な技術で補強、設計者のヤン・レツルとは?チェコ出身、随所にセセッションの幾何学装飾、爆風で倒壊を免れた奇跡、丹下健三が提案した平和の軸線、保存工事により地震でも無傷、

10有楽苑と如庵ー有楽斎の波乱の人生、「如庵」も波乱の運命をたどる、令和の改修で庭園はすっきり、茶室サイズを思わせる中銀カプセルタワー

11無鄰菴ー「無鄰菴」ってどんな意味?訪問したことを隣家に託しようにも,隣家が見当たらないほど田舎、芝生を多用、見事な視線の「抜け」、建物内から見るための庭、遠近感や起伏を巧みに利用、市民を巻き込み・文化財を「育む」、明治の転機となった「無鄰菴会議」

12函館ハリスト正教会ー現教会は二代目・設計は河村伊蔵、聖ニコライ(後に東京神田ニコライ堂に拠点移動)が気づいた河村の才能、非建築出身の大器晩成型、息子・孫へと受け継がれた審美眼、レンガ造の塔を「見えない補強」、見えない網戸が素晴らしい、、

13日本製鉄九州製鉄所ーまずは村野藤吾の「猫耳工場」へ、カテドラルのような荘厳さ、転炉建屋世界遺産の現役工場も、外壁は「錆が目立ちやすい色に」、

14日本基督教団神戸栄光教会ー「創造的復元」とは、阪神淡路大震災で「瓦礫」として撤去、いったんは参加を辞退した日建設計、2週間の展示期間中に理解深まる、設計者は曾蔵でなく難波停吉、戦前に幾多の名建築をサポート、

グルメを楽しむ

15大阪府立中之島図書館ー真っ先にカフェへと直行、3方向に見える緑も贅沢、建物に隠れる幾何学形、ドームには「八哲」・記念室には「舵」、新設した自動扉により正面玄関が使用可能に、

16八勝館ー堀口捨巳設計「御幸の間」、魯山人が認めた旬の味覚を味わう、明治の材木商の別荘を旅館に、変わり続ける建築家・堀口捨巳、桂離宮とは似て非なるモダンテイスト、女将さんの言葉に安堵・「お気軽にいらしてください」

17国立国会図書館国際子ども図書館ーナポリタン人気・ドラマ「名建築で昼食を」、安藤忠雄氏が参画して大胆改修、既存建物はシカゴ万博「鳳凰殿」と同じ設計者・久留正道、未完の正面玄関をガラスボックスで、見えないはずの外壁や装飾が見える、日本人の発想で生まれた「ナポリタン」・生みの親は横浜ニューグランド

18THE HIRAMATSU 京都ー商業施設には見えない外観、南東の表屋を保存・ほかは京都らしさの「拡張」、自立した木造架構をみせる、いよいよ「おいしいレポート」、ひらまつ初の都市型ホテル、

19宝塚ホテルー古塚正治設計した旧本館は閉館、武庫川の対岸に引っ越し、「歴史の続き」をお客様に届ける、低層に抑えた日建設計案、決め手は街に対する在り方、希少な「黄竜石」へのこだわり、最新スイーツと定番のショートケーキ、

20元離宮 二条城ー世界文化遺産の「超ヘリテージ」、建築を「残す」ための大工事進行中、利活用して維持管理費に充てる方向へ、香雲亭ランチ、本丸御殿は明治期の移築、日本をヘリテージ活用の先進国に、

まとめ

古い建築を楽しむことの大切さを伝えたもの、著者は画文家を名乗り、建築の面白さをイラストと文章で一般向け発信をしている、

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