本書は野生動物が増え被害が広がっていること、なぜ増えたのか、動物と人間のありうべき関係を考察したものである、著者は田中淳夫、静岡大学農学部卒業、探検部の活動を通して野生動物に興味、出版社・新聞社を経てフリーの森林ジャーナリスト、森と人の関係をテーマに執筆稼働、
日本は野生動物の楽園
身近な野生動物・イヌとネコ、列島全域が「奈良公園」状態、コンビニ前にたむろするイノシシ、寝たふりできないクマの激増ぶり、レジ袋片手に冷蔵庫を荒らすサル、ラスカルは暴れん坊・外来動物の脅威、
破壊される自然と人間社会
鳥獣被害額は1000億円以上、森林を草原にする知られざる破壊力、檻とかした集落に閉じ込められた人々、ネコは猛獣・野生化ペットが殺す自然、コロナは獣害・人獣共通感染症の恐怖、
野生動物が増えた本当の理由
國が野生動物を保護した時代、仮説①地球温暖化で冬を過ごしやすくなった、仮説②ハンターの減少で駆除できない、仮説③天敵のニホンオオカミが絶滅した
食べて減らす・誤解だらけのジビエ振興
害獣駆除で生じる「もったいない」、期待される猟友会の危うい現実、野生動物がジビエになるまでの関門、シカ肉がビジネスになりにくい理由、野生動物の資源化と駆除の担い手、
獣害列島の行く末
トキは害虫・苛烈な江戸時代の獣害、獣害が少なかった時代の謎解き、戦後に激変した日本列島の自然、撤退する人間社会と狙われる都会、「カワイイ」動物はなぜ生まれる、築けるか・人と野生の共生社会、
まとめ
日本は野生動物の楽園、破壊される自然と人間社会、野生動物が増えた本当の理由、食べて減らす・誤解だらけのジビエ振興、獣害列島の行く末で構成、都会で暮らしている人々が獣害でなやまされている農村を他人事のように眺めるのは危険である、「獣害」の視点から人間と野生動物が今後どのように向き合っていくかを考えさせられる、