隋・流星王朝の光芒

本書は長き分裂から統一を成し遂げながら、建国から40年で滅んだ「流星国家」隋の本当の姿を捉えたものである、著者は平田陽一郎、早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得、現在は国立沼津工業高等専門学校教授、専攻は中国史、

隋の成立と突厥との争い

1南北朝後期の動乱、分裂と統一、六鎮の乱と北魏の崩壊、正統を継ぐ者ー東魏・西魏・梁、武人たちの戦場、政権交代の連鎖ー北斉・北周・陳、草原の覇者ー柔然から突厥へ、晋陽に降る赤い雨、決戦・晋陽城、黄河砕氷の故事、2突厥の他鉢可汗と北斉の亡命政権、二人の孝行息子、華北情勢の急転、北斉の都・鄴の陥落、高紹義亡命政権の成立、亡命政権樹立の背景、他鉢河汗の正体、北斉復興計画の発動、新時代への胎動・頭角を現す後の楊堅、

隋の成立と突厥との争い

1楊堅登場、父と子、独孤家の三姉妹、外威楊堅、不良青年の即位、ひしめく皇后、周隋革命は宮廷政変に過ぎないのか、騎虎の勢い、2綱渡りの革命と千金公主の降嫁、ライバル尉遅迥、行き交う花嫁、二人の求婚者、離間の計、降嫁強行、きわどい策略、3隋と突厥の全面戦争、もう一つの簒奪者、逆襲の可賀敦、戦争と経済、父の教え、「世界帝国」への第一歩・突厥政策、

南北統一への道

1藤一の機運、華北と江南、境界の社会、楊忠・千里を駆ける、候景の乱、建康城の包囲戦、候景の「漢」王朝、傀儡国家・後梁、縮小する南朝、2陳の滅亡、陳の北伐、江南のあだ花・陳淑宝、南か北か、周到な準備、鎧袖一触、くすぶる火種、3弘南統治の実情、動乱の弘南、猛将楊素、名称の品定め、巾幗英雄、嶺南統治と「羈縻」、南北統一の意義、分離独立闘争としての六朝史、

天下統一と隋の国家体制

1北方制覇、そのころ突厥では、虎と屛風,公主の再婚、公主の退場、啓民可汗の擁立、隋軍・強さの秘密、2隋の呈した国家像、文帝・可汗となる、海西の菩薩天子、楊堅の三つの顔、国制の整備、仏教治国の理想、復古と革新、新都・大興城の造営、関中本位政策の推進、三位一体の理想、三位一体の現実、戦士たちの帰郷、科挙の創設、法式備わる国、

楊家の一族とその相関図

1楊家の家系と家風、楊家の出自、楊家の親族、独孤家との姻戚関係、独孤加羅という女性、浮気をして天命を知る、「一婦人」発言、鮮卑北族の習俗と姓氏、奴隷から側近へ、官僚制とケシク(親衛隊)、2火宅に住まう人々・仏教、三車火宅のたとえ、親と子、奪嫡の陰謀、いがみ合う兄弟、畜生め、殷鑑遠からず、骨肉で争うのはなぜか・実力で決まる、

煬帝の即位と世界帝国への野望

1造営する皇帝・煬帝、新洛陽城の造営、大運河の開削、大デモンストレーション、新都と大運河のジョイント、煬帝の愛した江都、煬帝の描いた未来予想図、2親征する皇帝・煬帝、北へ、秘密兵器投入、湧き出る詩心、草刈りの屈辱、可汗庭での邂逅、交錯する思惑、3落ち着きのない皇帝・煬帝、裴矩と「西域図記」、吐谷渾と地の利,、西方遠征、大盤振る舞い、隋の全盛、隋の滅亡、なぜ動き回るのか・移動宮廷、

高句麗征討から天下大乱へ

1高句麗征討計画と「日出ずる国」からの使者、超大国・隋の登場、東方問題、化かし合い、日出ずる国からの使者、大親征の詔・下る、未曾有の大行進、未曽有の大敗北、2動乱の始まり、楊玄感・叛す、見せかけの勝利、戦争を生み出すメカニズム、苦しむのはいつも民衆、地に落ちた常勝の令名、早く武帝になりたい、高句麗遠征の真の狙い、3江都に落ちのびる煬帝と李淵の挙兵、策士・策に溺れる、雁門攻囲の衝撃、反逆者の多彩な顔触れ、シンボル亡き大乱、逃避行、李氏・まさに天子となるべし、李淵と李世民・唐二代、強すぎる娘と長安入城、突厥詣で、乱がもたらしたもの・統一政策への反発

煬帝のためのレクイエム

1江都の乱と隋の滅亡、引きこもる煬帝、2月に生まれた娘、江都の乱、ラストステージ・クーデター、我・百姓にそむけり、後続政権の乱立、楊政道亡命政権と義城公主、2次男坊ふたり、煬帝と太宗、隋が滅びた日、「煬帝」は唐が張ったレッテル、暴君誕生のからくり・トップダウン、誠節伝中の人々、忠誠心の向かう先、立ち回りのウマいヤツら、裏切り者の末路、損な役割、イ性カラクリと回り、最も煬帝に学んだ皇帝・太宗、

まとめ

隋を生んだ時代のうねり、隋の成立と突厥との争い、南北統一への道、天下統一と隋の国家体制、楊家の一族とその相関図、煬帝の即位と世界帝国への野望、高句麗征討から天下大乱、煬帝のためのレクイエムで構成、本書は「平易近人」,易しく親しみやすい内容と文章を心がけた、

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