レビュー・人新世と芸術

美術作品は環境変化に敏感であり、芸術とサイエンスを繋ぐものとしてエコロジーの思想は培われた、17世紀から20世紀に描かれた美術作品に焦点を当てそのことを検討する、著者は岡田温司、京都大学大学院博士課程修了、京都大学名誉教授、京都精華大学大学院特任教授、専門は西洋美術史・思想史、著書は「モランディとその時代」他、

概要

かって地球は寒かったー小氷期とコロニアリズム、ブリューゲルの冬景色、冬景色のスペシャリスト・エネルギー源としての泥炭と鯨油、オランダ領ブラジル、植物園、オランダ領東インド会社、静物画、植民地と植物園、緑の帝国主義、エコロジーとエコノミー、自然のエコノミー、フンボルトの科学と芸術、風景画とフンボルト、文化の多様性と相対化、ヘッケル・女性芸術家としての自然、「自然形態の美」の進化論、セイロンの風景画、一滴の水と生命、火山の噴火、クラカウ大噴火・1883、タンボラ大噴火・1815、ベンジャミン・フランクリンの慧眼、アタナシウス・キルヒャーの地下世界、グランドツアーのなかのヴェスヴィオ火山、アートとサイエンスの間で―ハミルトン卿の火山観察、ロンドン王立協会へのハミルトンの報告、ナポリのゲーテ、アルプスの氷河、アルプスの発見、ソシュールの見たアルプスの氷河、氷河の成長と減少をめぐるソシュールの見解、ソシュールによるアルプスのパノラマ図、アルプス氷河への画家のまなざし、生きている氷河、氷河時代の発見と斉一説、描かれた迷子石、ラスキンとアルプス氷河、産業革命の表象、崇高なる工場、ターナーの産業革命、風刺画の中の産業革命、暗い悪魔のような工場、鉱山労働者・児童労働、炭鉱爆発事故のリポート、過酷な労働条件と劣悪な環境、将来における資源の枯渇と代替エネルギー・ルイ・シナモンの提言、ゴッホの見た「ブラックカントリー」、ゴルゴダとしてのボタ山、霧のロンドン、夏目漱石の感じたロンドンの霧、牧野義男・ターナー・ホイッスラー
、自然が芸術を模倣するーオスカー・ワイルドのロンドン、単眼の巨人キュクロプスとしてのロンドン、風刺画のなかの大気汚染、「フォッグ・デモン」、ラスキンのペスト雲、ヒートアイランド現象の発見、風刺画のなかのテムズ川の汚染、印象派と大気汚染、モネの印象・日の出、ロンドンの霧に取りつかれたモネ、印象派の画家たちによる工場の煙突、ポスト印象派と新印象主義、新印象主義・アナキズム・エコロジー、点描法とアナキズム、画家たちは環境変化をどう反応したかについて知りたい方におススメ、

感想

美術作品は環境変化に敏感で、芸術とサイエンスを繋ぐものとしてエコロジーの思想は培われた、

まとめ

かって地球は寒かった、エコロジーとエコノミー、火山の噴火、アルプスの氷河、産業革命の表象、霧のロンドン、印象派と大気汚染、を考察、美術作品にエコロジー的発想を位置づけた、

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