本書はラポロアイヌネイション&北大開示文書研究会によるオンライン学習会「イチからわかるアイヌ先住権」の講演を書籍化したものである、差間正木はラポロネイション会長、北海道大学水産学部卒業、国と北海道にサケ捕獲権確認請求訴訟を札幌地裁に提訴した
イチからわかるアイヌ先住権ー市川守弘
1先住権ってどんな権利、①なぜ先住権が認められるでしょうか、②誰が権利を持つの③アイヌの歴史を遡る、蝦夷地でのアイヌ社会の様子、コタンの暮らし、アイヌの歴史からわかること、④先住権の内容、2無視された明治以降のアイヌの権利、蝦夷地開拓の実施、明治政府のどこがおかしい、3①先住権をめぐる現代の問題点、国の基本的立場とは、コタンの再活性化を、②先住権をめぐる現代の問題点、サケ資源の保全、
歴史に見るアイヌ先住権-江戸時代の幕藩制国家ー榎森進
1幕藩制国家の成立と松前藩・アイヌ民族、①当該問題を検討するための前提、②松前藩の性格とアイヌ民族の国家的位置、③「蝦夷島」の地域区分体制とその意味、④松前氏宛て将軍朱印の「付」の文言変化、⑤「郷帳」から見た江戸時代の蝦夷島の姿、2江戸時代のアイヌ社会、①江戸時代前期ー商場知行制時代のアイヌ社会、②江戸時代末期幕府による蝦夷地再直轄期のアイヌ社会、日米和親条約以降の政策、幕末期のアイヌ民族の生産活動、
アラスカ先住民族の権利と資源の活用法―ジェフ・ゲーマン
アラスカ・ネイティブの概要、生き方の保全に対する強い思い、現体制へ長い道のり、アラスカ先住民族請求解決法ANCSA、ANCSA制定後のアラスカにおけるアラスカ・ネイティブのプレゼンス、アラスカ・ネイティブによる持続可能な資源開発の試みと環境保護運動、「伝統的な生態学的知識」とは、「ローカルと伝統的な知識」の活用法の例、事例1ユーコン川水域漁業組合の取り組み、事例2ユーコン川先住民族政府間流域圏協議会、事例3アラスカ・ネイティブ・サイエンス委員会の活動、アラスカ・ネイティブのための高等教育・次世代人材育成、アラスカ・ネイティブから得られる示唆、
アイヌ・インディアンとサケ「鮭は誰のものか」ー萱野志郎
1前館長・萱野茂について、2萱野茂と鮭とのかかわり、3当館の歴史、4二風谷ダム裁判について、5「北海道旧土人保護法」等アイヌにかかわる法律について、6鮭は誰のものか、
インディアンのサケ捕獲権の歴史と今ー市川守弘
アメリカ大陸における人類の歴史、コロンブスの大陸発見当時のインディアンの様子、インディアン移住政策、リザベーション政策、リザベーションの内と外、売った土地(リザベーションの外)、売り渡した土地でのサケ捕獲は、ウイナンス(1905)ワシントン州との闘い、FISH・WARS、条約の解釈をめぐる法廷闘争、ボルト判決(1974)、インディアントライブの現在、アイヌ集団(コタン)が学ぶこと、
北欧先住民族サーミに見る先住権ー加藤博文
1フィンランド最高裁におけるサーミの漁業権の認第一揆定、2サーミとはどのような人々なのか、3サーミの歴史、①第一期:15世紀以前、②第二期:15世紀ー対等な交易関係から経済的支配関係へ、③第三期:17世紀ースエ―デンによる鉱山開発と賦役、④第四期:サーミに対する規制とキリスト教化、4近代化とサーミ⑤第五期:国境画定・移動制限・同化政策、⑥第六期:20世紀の同化政策、⑦第7期:戦争とサーミ、5サーミによる権利回復運動、アルタ闘争とその影響、6サーミ議会について、7ノルディックサーミ条約、8サーミの大地と水の権利、9ノルウェーの漁業システム、
アボリジナルの人々の土地権と主権をめぐってーテッサ・モーリス=スズキ
6万年以上続いてきたアボリジナルの人々の歴史と文化、18世紀以降の欧米の侵略による破壊、アボリジナルの人々の抵抗運動と闘い
「アボリジナル・テント大使館における語りを中心にーウチラルト・オテデ、
アボリジナル・テント大使館とは、私とアボリジナル大使館とのかかわり、「あなたはホワイトであり・またブラックである」、スモーキング・セレモニー、土地の人々への儀式・原住民に受け入れられるための儀式、アボリジナル大使館の創設者ギラーおじさんの語り、強制収容所のような保護区での暮らし、白人の教育制度において法律を学ぶ、1972年土地権回復等を求める運動の高まり、テントと朝食の差し入れで始まったテント大使館、アボリジニーの自治にの実現に向けて、
台湾原住民族の先住権:森と海の資源利用を中心に
「脱植民地化と民主化:台湾先住権のあゆみ」ー許仁碩
台湾原住民とは、失った「民族」、取り戻した/取り戻そうとしている「民族」、失った「土地」、取り戻した/取り戻そうとしている「土地」、
「台湾先住民森林産物採集権利の発展と現状:刑事立法と裁判を中心に」ー范耕維
はじめにー「森林産物採集権」をめぐる国家法と慣習法の衝突、1黎明期:1945年―2004年・2005年、1999台東地裁判決・2000年屏東地裁判決、2成長期:2004年―2019年、①森林法の改正(2004年)と先住民族基本法の立法(2005年)②刑事裁判における森林産物採集権の実現、3現状と新たな問題の発生、①先住民族採集行為に関する規則の制定、②採集権利に関する限定解釈の再現、
「台湾原住民・タオ族の伝統的な海域における自然資源権利と法規制の衝突と調整ー王毓正
蘭嶼の位置と名前について、タオ族について、タオ族の海洋利用の知恵について、タオ族の伝統的な船について、タオ族の海洋利用に対する法規制との衝突、
まとめ
イチからわかるアイヌ先住権・歴史、アラスカ先住民族、アイヌ・インディアンとサケ、北欧先住民族サーミ、アボリジナルの人々、台湾原住民で構成、アイヌ先住権とその周辺を解説