中華を生んだ遊牧民

本書は拓跋部による中華の創造過程を具体的に見ていくことが目的である、著者は松下憲一、北海道大学大学院博士後期課程修了、愛知学院大学教授、主な著作は「北魏胡族体制論」

①拓跋部の故郷ー遊牧と伝説

1鮮卑の登場、遊牧世界の生活と軍事力、鮮碑と烏丸、鮮碑の意味、モンゴル系か/トルコ系か、後漢と鮮碑、壇石槐の国家、2「魏書」序紀の歴史観、基本資料が伝える起源、「拓跋」と「五行思想」、李陵の子孫という説、、3大鮮卑山を探せー嘎仙洞の発見、1980年の大発見、烏洛侯国への疑問、碑文の変更、始祖こそ始まり、真人代歌が伝えるもの,序紀の南下伝説は本当か、拓跋部の起源にせまる信研究、

②部族を集めろー代国の時代

1神元帝の拓跋国家、部族とは、神元帝の即位、天を祭る、沙漠汗の悲劇、104歳で死んだ神元帝、拓跋国家の三分割、2西晋と代国の成立、五胡十六国、黄帝の末裔、代国の封建、「女国」と呼ばれる、3昭成帝の改革、石勒/石虎をお手本に、昭成帝の死、昭成帝と苻堅、盛楽の遺跡、二つの盛楽、金陵も二つ、盛楽博物館、

③部族を再編せよー北魏の成立

1代王から魏皇帝へ、国号を「魏」に変更、苦難の連続、三合陂の戦い、皇帝即位、部族の歴史を創作、西郊祭天、季節移動する皇帝、金人鋳造、子貴母死という残酷なルール、2部族解散か再編かー中華か遊牧か、北魏史の重要ポイント、八国への再編、3「大代」と「大魏」ー二つの国号、代人集団をつくれ、五胡諸国と北魏の違い、二つの国号、国号の魏、

④中華の半分を手にー胡漢二十体制

1太武帝の華北統一、太武帝の即位、太武帝の対外戦争、西晋から東晋へ、南北朝時代の始まり、畿上塞囲=長城の建設、漢人宰相の崔浩、2「国史事件」が暴いたもの、北魏の国史編纂、国史を石に刻む、習俗が「国悪」なのか、崔浩の罪状、後世への影響、3仏教と運航石窟、拓跋部と仏教の出会い、新天師道と廃仏、複眼の顔をもつ北魏皇帝、廃仏の詔、復仏の詔、雲崗石窟ー曇曜五窟の謎、4文成帝南巡碑を読む、碑文の発見、「内」のつく官職・「真」のつく官職、「内行内小」と胡漢二重体制

⑤中華の中心へー孝文帝の「漢化」

1文明太后の政治、文明太后の出自、文明太后と孝文帝、文明太后の政治、文明太后の改革、北魏の土地制度・均田制、方山の永固陵、二聖の統治、2胡俗消滅、改革の真の目的、廟号・爵制・将軍号の世襲禁止、南朝への対峙と五徳の変更、洛陽遷都、胡語・胡服胡姓の廃止、胡族名と漢字名,胡族宿老のなげき、姓族註定」が生む「家柄」、後宮改革、行幸にみる「中華」と「拓跋」、3平城から洛陽へ、平城の発展、頭はどっち向き、洛陽の建設、坊の建設、南北中心軸、竜門石窟の造営、埋葬の地・邙山、官営の軍馬牧場、

⑥胡漢融合への模索ー繁栄と分裂

1洛陽へタイムスリップ、「転生したら洛陽だった件」、栄華のおわり、2遙かなる六鎮、懐朔鎮の風景、六鎮の比定、使えるものは何でも使え、3六鎮の乱、六鎮の構造、洛陽遷都の影響、羽林の変
、懐荒鎮民の反乱、六鎮の乱、鎮民の不満、4霊太后の政治と東西分裂、孝明帝の母・霊太后、天柱大将軍・璽朱栄,次代の英雄、周隋唐みな武州より出ず、

⑦誕生、新たな中華ー隋唐帝国の拓跋

1手を垂れると膝を過ぐ、異形の帝王と仏教、劉備・司馬炎も、反乱者も「膝を過ぎる」、后妃の出家、2レビレートの系譜、中華の女性とレビレート、中華に入ったレビレート、同時に皇后が四人、煬帝おまえもか、3煬帝の宮廷料理、新たな中華料理、煬帝のお気に入りは、4唐の「宮楽図」、胡床・胡坐⁻腰掛の変遷、ソグド人の胡琵琶、「顔氏家訓」にみる「北の風習」、出世の近道として、食用からペットへ、「唐の中華」は日本にも、5拓跋部のゆくえ、元氏はつづく、

まとめ

本書は中華と胡俗の融合をもたらした拓跋部を取り上げ、拓跋部の中華受容と持ち込んだ胡俗の中華としての定着を見てきた、

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA