着物になった戦争

本書は日清戦争から太平洋戦争まで多岐にわたる面白柄着物のうちより「戦争柄」着物を中心に作品事例を考察したものである、著者は乾淑子、お茶の水女子大学大学院人間文化研究科博士課程修了、元東海大学国際文化学部教授、

戦争柄物を着た時代

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面白柄着物の誕生と隆盛

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戦争柄着物の登場とメディア

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多様化する戦争柄着物

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昭和期の戦争柄着物2ー満州国柄とプロパガンダ、軍神となった三勇土、三勇土の着物ー羽裏・反物・絣、満州国柄の着物ー襦袢・羽裏、古賀中佐と楠木正成、古賀中佐柄と楠木正成柄の着物、

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昭和期の戦争柄着物4、事件と報道、報道柄の着物、日独伊三国柄の着物ー薄物・一つ身、オリンピック柄に着物、軍歌柄の着物ー単衣・ねんねこ・一つ身、意匠としての兵器と作戦、兵器・作戦柄の着物、一つ身・羽裏、襦袢、横山大観献納の図柄、

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戦争柄着物からの問いかけ

美術に対する対する締め付け、着物による戦争イメージの改革、プロパガンダではない戦争柄着物、戦争柄着物の影響力、

まとめ

戦争柄着物を着た時代、面白柄着物の誕生と隆盛、戦争柄着物の登場とメディア、多様化する戦争柄着物、戦争柄着物からの問いかけで構成、本書はたまたま目にした戦争柄着物に夢中になり、明治・大正・昭和の近代史に触れることとなったものである、勇壮な図柄は時代を反映している、

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