本書は生涯をかけて「看護婦」の技能向上と制度化に努めた大関和の物語である、著者は田中ひかる、専修大学大学院にて歴史学/横浜国立大学大学院にて社会学専攻、博士、女性に関するテーマを中心に執筆・講演活動を行っている、
①故郷黒羽
家老の娘、「嫁田」の友、田打桜、物言う嫁
②鹿鳴館
パンペルデュ、牧師植村正久、鉄道馬車に乗って、「看病婦」と「看護婦」、婦人慈善市、大山捨松からの誘い、リディア・バラの決意、マリア・トゥルガ―、横浜の貧民窟、鄭永慶の最期、
③桜井看護学校
東の慈恵・西の同志社、校長矢嶋楫子、断髪の新入生、広瀬梅の苦学、「看護覚え書」、火屋磨き、「不義の子」、病院実習、「器械出し」の名人、花魁心中騒動、「泣キチン蛙」、トレインド・ナースの誕生、
④医科大学付属第一病院
「白衣の天使」、松浦里子と本多銓子、「我朝のナイチンゲールとならん」、医師との軋轢、「求めよ・さらば与えられん」
⑤越後高田「知命堂病院」
高田女学校、廃娼演説会、木下尚江との出会い、瀬尾原始との再会、心の夢、鈴木雅、天然痘と戦う、日本初の派出看護婦会、婦人矯風会の授産施設、赤痢の村へ、村人たちの抵抗、「避病院」の改良、国恩と信仰、日清戦争と看護婦、「衛生園」にかけた夢、岡見京との解逅、梅と「ルツ子」、車上の花見、慈愛館の昼餉、
⑥東京看護婦会
派出看護婦会の乱立、後藤新平との約束、監獄署へ通う、木下尚江からの求婚、相馬愛蔵の誠意、遊郭から逃げた少女、「派出看護婦心得」、心の死、箱根への隠遁、鈴木雅の引退、「貴官の剣を貸し給え」、「婦人重軍歌」、六郎の結婚、慰問袋運動、
⑦大関看護婦会
復彦との再会、炊き出しでの出会い、「生まれては苦界、死しては浄閑寺、大関看護婦会、六郎の客死、内務省「看護婦規則」、大山捨松、スペイン風邪に倒れる、鈴木雅との別れ、関東大震災、
まとめ
牧師植村正久との出会い、桜井看護学校入学、医科大学第一病院と越後高田・知命堂病院勤務、東京看護婦会から大関看護婦会へ軌道修正、明治のナイチンゲールの物語、