ウクライナ侵攻でロシアが中国のジュニアパートナー化を決定的とした、本書は中ロの関係を専門家による対話で浮き彫りにするものである、著者は廣瀬陽子、東京大学大学院法学政治研究科博士課程単位取得退学、現在は慶應義塾大学総合政策学部教授、近藤大介、東京大学卒業、国際情報学修士、現在は講談社特別編集委員
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ユーラシア大陸の二つの大国
中国とロシアの共通点、最初は中国のほうが立場が強かった、ロシア人が持つ「奪い返した」という感覚、中ロが少数民族の研究をする理由、ソ連は崩壊したのではなく「解体」した、ジェントルマンだったゴルバチョフ・予測不能なエリツィン、チェルノブイリ原発事故がグラスノスチを進めた、アジアの共産主義には正当性があった、経済がボロボロでも大国意識を捨てないロシア人、
同盟の時代から論争・対抗・交渉を経て協調の時代へ
中ソの50年を象徴する北京大学の地下の核シェルター、フルシチョフのスターリン批判から始まった中国のソ連離れ、スターリンの悪政を60年代に行った毛沢東、鄧小平の改革開放が成功した理由、アフガン侵攻の痛手がソ連に中国との和解を選ばせた、天安門事件で改革開放をさらに進めた鄧小平、
ソ連崩壊後の中国・ロシア・アメリカの関係を読み解く
9・11テロで変わったアメリカと中国の関係、「プーチン大統領がロシアを豊かにした」と錯覚したロシア人、米ロ蜜月時代を変えたロシアのジヨージア侵攻、オバマ大統領の「リセット」発言がジョージア侵攻を招いた可能性、G7に対抗するためにつくられたBRICS,ロシアのWTO加盟に反対を続けたジョージア、本気で北方領土を返すつもりだったエリツィン大統領、「何度も歩み寄ったのに突っぱねられた」がプーチン大統領の論理、NATOのユーゴ空爆で中ロのアメリカ不信はピークに達した、無理やり引き剥がされたモンテネグロ、「ロシアが敵でないと物足りない」と考えるアメリカのタカ派、
プーチン政権誕生で変わりだした中国とロシアの関係
まず「ロシアを大きくしたい」と考えたプーチン大統領、国境問題でロシアと思惑が一致した中国、対ロ強硬派のエストニアと国境画定できないロシア、BRICSと上海協力機構に見る中ロの微妙な関係、ウズベキスタンの加盟が示す上海協力機構の反米的要素、武器が欲しいためロシアに気を遣う中国、旧ソ連圏以外からも武器を購入しだしたロシア、
習近平政権でますます進む中ロの蜜月
プーチンとの初会談に大感激した習近平、当初は安倍首相と習近平を天秤にかけていたプーチン、クリミア侵攻で進んだ中ロの蜜月関係、習近平に蜂蜜を贈ったプーチンの厭味、習近平を「運がいいだけの男」とみているプーチン、メルケル退陣でロシアと西側をつなぐ人を失った、「ヨーロッパ最後の独裁者」とプーチンとの関係
中国・ロシア・アメリカの思惑を読読み解く
ロシアにと手は英米は「永遠の敵」、ロシアのサイバー攻撃が」アメリカ大統領選」に与えた影響、プーチンと会いたがったトランプ前大統領、アメリカがトランプ大統領ならウクライナ侵攻はあったか、ウクライナ侵攻に対するプーチン的合理性、中ロが「奪還」をキーワードにする理由、中国から「核心的利益」を学んだロシア、
ウクライナ侵攻で中国、アメリカは何を決断したか
習近平には寝耳に水だったウクライナ侵攻、北京オリンピックの開会式で爆睡していたプーチン、ウクライナ侵攻で危うくなった習主席の三選、ロシアとともにNATOの仮想敵国となった中国、危ぶまれる日本の北方領土への経済支援、
中ロの共闘はどこまで深化するか
ペロン訪台を三選に利用した習近平、ペロン訪台で進む中ロの共闘、王毅・ラブロフ会談が多い理由、メドベージェフは豹変した、独裁者の最期、欧米でも中ロでもない「グレーゾーン」の国々、「強権国家が人類を幸せにするか」という21世紀の実験、プーチンの次に来るのが「より強いリーダー」という可能性、
三期目がスタートした習近平政権とウクライナ戦争の行方
強権政治ができなくなったプーチン大統領、ロシアの内政はどうなっているのか、中国の経済植民地化しているロシア、ロシアの裏庭・中央アジアが中国に取られる、ロシアでクーデターは起きるか、ロシアを率いて実験を成功させたい中国、
まとめ
ユーラシア大陸の二つの大国、同盟の時代から論争・対抗・交渉を経て協調の時代へ、ソ連崩壊後の中国・ロシア・アメリカの関係を読み解く、プーチン政権で変わり出した中国とロシアのの関係、習近平でますます進む中ロの蜜月、中国・ロシア・アメリカの思惑を読み解く、ウクライナ侵攻で中国・アメリカは何を決断したか、中ロの共闘はどこまで深化するか、三期目がスタートした習近平政権とウクライナ戦争の行方で構成、ウクライナ戦争は膠着状態、中国経済は衰退化、それでも野望はある、