金田一のアイヌ語研究は、信仰や歴史も重要なテーマとなった、本書はアイヌ文化に対し考察したものである、著者は金田一京助、国学院大学教授・東京大学教授を歴任、アイヌ語・アイヌ文学・アイヌ文化を研究、ユーカラで新分野を開拓、編者は工藤雅樹、東北大学文学部卒業、福島大学名誉教授・東北歴史博物館館長、
Ⅰ
奥州蝦夷種族考、序言、蝦夷とアイヌ、素朴な全国の原住民説、「原日本人」の考、素朴な「蝦夷非アイヌ説」、解剖学からの「蝦夷非アイヌ説」人類学からの「蝦夷非アイヌ説」、国史学からの「蝦夷非アイヌ説」、大和朝廷の対蝦夷政策、松前藩の対アイヌ政策、アイヌの実情とアイヌ白人説、古代史の蝦夷、中世の奥州蝦夷アイヌと蝦夷と言葉が共通、アイヌと蝦夷と名前が共通、北海道と奥羽と地名の夥しい共通、結論、ナイのつく地名、
Ⅱ
本州アイヌの歴史的展開、「俘囚即蝦夷」説、奈良時代、平安時代、鎌倉・室町時代、「俘囚或は夷俘」説、現代、最古の蝦夷、漢籍の蝦夷、斉明紀の蝦夷、蝦夷の入貢、平安時代の俘囚、
蝦夷とアイヌー歴史的考察、緒言、南北朝時代の蝦夷、戦国時代の蝦夷、江戸時代前期の蝦夷、江戸時代後期の蝦夷、結語、
蝦夷と日高見国(日の上=東の国・陸前・陸中)
蝦夷名義考、緒言、松浦武四郎「天塩日誌」の新知識、思い違いと・言い違い・アイヌとカイヌ、「参考・熱田大神縁起頭書」、苦夷の語源の一案・クイ
アイヌの系統、はしがき、アイヌは果たしてアジア系か、アイヌは白人の遠い分派?アイヌはいずれの途を取って現位に占住したか、結論、
Ⅲ
北奧地名考ー奥羽の地名から観た本州エゾ語の研究、緒言、奥州エゾ語はアイヌの古い一方言、津軽海峡南北の地名寄り、北海道の地名転訛の例、推定される奥州のアイヌ地名、結論、
山間のアイヌ語、「北越雪譜」に「山ことば」、犬をセッタ・頭をハッケ、先住民の子孫、
Ⅳ
義経入夷伝説考、緒論、時代と蝦夷の知識、蝦夷口碑の輸入時代、内国における義経入夷伝説の発展、蝦夷における義経伝説の整理、現今のアイヌ口碑の取捨、結論、
アイヌの叙事詩に就て、オイナとユカラ
まとめ
Ⅰ~Ⅳで構成、本書は金田一京助全集の6・7・12巻を中心に「奥州蝦夷種族考」を加え編集したものである、問題はアイヌ民族の形成である、金田一蝦夷論を展開、