ラジオと戦争

本書はNHK 入局、NHK入局、ディレクターとしてETV特集を手掛け、放送文化研究所の研究員として勤務した大森淳郎が大東亜戦争の戦時ラジオ放送の現場を浮かび上がらせたもの

①戦時下ラジオニュース

国策会社・同盟通信の配信記事の書換、国策的ニュース編集と自主取材、ニュース編集の教科書、検閲と自己規制、敗戦のニュース編集、

②戦時録音放送を聴く

ドキュメンタリーは毒にもなる、「構成」の不在、病院船と香港攻略、陸軍少年戦車兵学校、構成を捨て本当の宣伝を求めた

③戦時ラジオ放送への道

全国ラジオ調査・指導方針の確立、二つの公共性、放送現場の倫理、国論の統一・満州事変、武力をもって膺懲せよ、国民精神総動員、NHKは国家のチンドン屋、

④講演放送・学校放送

詩人・多田不二・戦時下の講演放送、満州事変、教育学者・西本三十二・学校放送、満州事変と教養番組、インテリたちの蹉跌、日中戦争と教養番組、西本三十二と国民学校放送、敗戦そして戦後・札幌と松山、

⑤慰安と指導

放送人・奥屋熊朗、物語・野球中継とラジオ体操、二つの指導、詩の朗読、国民歌謡、日中戦争と岡田嘉子、愛国詩、空襲の下で、ラジオ大衆

⑥国策の「宣伝者」として、

アナウンサーの日記、「淡々調」の時代、日中戦争と淡々調、立澤正雄の実践、「雄叫び調」時代、昭和19年のアナウンサー読本、

⑦負け戦はどう伝えられたか

高橋映一の録音、国難来る、NHKの対応、サイパン陥落、ダブルスタンダード、空虚な精神論、玉砕は勝利の大道、レイテ戦記、解説員の苦悩、特攻隊、硫黄島玉砕、沖縄特攻、最後の録音、

まとめ

権力がメディアを支配しようとすればどこまでやるか、メディアはどこまでどこめで腐り果てるか、