ハイチ革命の世界史

本書は、反レイシズム、反黒人奴隷制、反植民主義の三つの性格を併せ持ったハイチ革命とその後の歴史、世界史像を探求したものである、著者は浜忠雄、北海度大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学、現在は北海学園大学名誉教授、専門はハイチ革命史・フランス革命史

ハイチ革命を生んだ世界史

1「繁栄」を支えた黒人奴隷、サン=ドマングに依存したフランスの貿易、圧倒的多数の黒人奴隷、大西洋黒人奴隷貿易、クレオールとボサール、2「繁栄」に潜む危うさ、プランテーションの集団的・組織的・協働的性格、「諸刃の剣」のプランテーション・システム、絆としてのヴ―ドゥーとクレオール語、植民地の危機への対応、高まるリスク、解放の礎ー逃亡奴隷、

ハイチ革命とフランス革命

ー史上初の奴隷制廃止への道ー

1ハイチ革命の発端、「カイマン森の儀式」、一斉蜂起、2フランス革命と植民地・奴隷問題、植民地の代表権・植民地議会、有色自由人の法的平等、「黒人の友の会」、根強い抵抗、3史上初の奴隷制廃止、奴隷蜂起と植民地戦争、トゥサン・ルヴェルチュール、黒人奴隷制廃止宣言、「恩恵」としての奴隷解放、奴隷解放を描いた絵画に現れるコントラスト、ナポレオンによる奴隷制の復活に向かって、軍事介入と秘密指令、不可欠な植民地・レイシズム、ナポレオンを激怒させたトゥサンの「憲法」、黒人とムラ―トの大同団結、ハイチ独立宣言、なぜ「ハイチ」という国名なのか、

先駆性ゆえの苦難

ー革命以後の大西洋世界ー

1「世界初の黒人共和国」の動向、再征服に対する警戒、再燃した黒人と村―トの反目、「自由・平等」の内実を問うーハイチ革命のなかの女性たち、「強制労働」による生産の再建、「マルーン・ネイション」、2ハイチ革命と大西洋世界、共鳴と敵対、世論の分極化ーアメリカ合衆国、「鏡」ドイツと日本、封印するフランス、3国際的承認を求めて、アメリカ合衆国ー「交易すれども承認せず」フランスー旧状回復と賠償、「ラテンアメリカ=カリブ共同体」の模索、

帝国の裏庭で

―ハイチとアメリカ合衆国ー

1リンカーンによるハイチ承認、黒人植民事業、ハイチ承認、2アメリカ合衆国によるハイチ占領、モンロー主義のコロラリー(系論)占領ー「ミッショナリー外交」の内実、占領の解除ー「善隣外交」の内実、占領の所産、繰り返される軍事占領、

ハイチ革命からみる世界史

ー疫病史から植民地責任までー

「ナポレオンは黒人将軍と黄熱病将軍に敗れた」「主人と奴隷の弁証法」ーハイチ像の揺らぎ、「植民地責任」を問う、ハイチによる「返還と補償」の要求、等身大の近代世界史へ、「新しいスパルタクス」の待望、「絶対的転倒の意識」、

まとめ

ハイチ革命を生んだ世界史、ハイチ革命とフランス革命、先駆性ゆえの苦難、帝国の裏庭で構成、歴史とは勝者によって作られた物語である、ハイチ革命では、ハイチが勝者、フランスが敗者であるが、勝者の歴史が永く封印、先駆性ゆえ苦難を強いられた

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