平安京の400年

本書は王朝文化の光と影を描いたものである、著者は朧谷寿、同志社大学文学部文化学科卒業、現在は同志社女子大学名誉教授、古代学協会理事長、紫式部顕彰会副会長、編集協力は伊東ひとみ、奈良女子大学理学部生物学科卒業、現在は文筆家・編集者、

平安京誕生の裏側

1皇統を繋いだ女帝たち、女帝の登場、祖母が担った中継ぎ役、聖武天皇に繋がれた皇位、孝謙女帝と道鏡、2天武系天皇から天智系へ、天智系光仁天皇の擁立、氷上川継事件の真相、桓武天皇の母は渡来系氏族、3平城京からの脱出、短期に終わった長岡京、平安遷都、桓武天皇と造都、「都ぞ春の錦なりける」、4藤原四家の攻防、仕組まれた伊予親王事件、薬子の変と「定都」、藤原北家の躍進、人臣摂政の創始、

ニュータウン平安京

1平安京という都市、政治的な人工都市、平安京に居住した人々、平安京の都市構造、2左京・右京の開発事情、位階と住居の広狭、現存する土地売買の證文、地点表示の変遷、左京・右京の住居域の実態、右京に存在した小泉荘、3平安宮と天皇在所、大内裏と内裏、内裏と里内裏、後堀河天皇の閑院内裏、里内裏の系譜、京都御所と平安神宮、

平安人の昼と夜

1殿上人にとっての夜、貴族の時間・庶民の時間、朝議から夜議へ、貴族という身分、出世と家柄、一日の境界、鬼たちの活躍する夜、2王朝貴族の暮らし、游宴の世界、さまざまな音、貴族の生活の規範、貴族の食事・庶民の食事、3男性日記と女房文学、日記の意味するもの、最古の自筆日記「御堂関白記」、仮名と女房文学、4政治の実態、政治と場、外記政から陣定へ、5平安京トイレ事情、宮中の御桶殿、御厠人という下級女官、厠で転倒した貴族たち、

藤原北家をめぐる王朝ドラマ

1摂関家への道、摂政・関白と藤原北家、阿衡の紛議と初代関白、藤原北家の試練、他氏排斥の総仕上げ、2兼通・兼家兄弟の確執、骨肉の争い、安子の書きつけ、兼家が悲願達成、3栄華の頂点へ、疫病と道長、強引な二后並立、「栄華の初花」、望月満ちて、

政治と結婚

1王朝貴族の恋と結婚、王朝時代の美人、王朝の「よき男」、御簾越・垣間見、通い婚という制度、2摂関家の外威政策、藤原道長の結婚、「男は妻がらなり」男の値打ちー藤原頼通の場合、天皇を外孫にもてずー後三条天皇の登場、摂関家の固定ー御堂流の成立、3天皇・貴族の婚礼儀式、結婚までの流れ、後一条天皇と威子の婚姻、藤原育子の入内、平徳子と高倉天皇の結婚、悲劇の結末、

受領と才女

1受領の世界、受領と呼ばれる地方官、除目と口利き、清少納言の父は文人受領、藤原道綱母・菅原孝標女も受領層の娘、越前国守と紫式部、2任国での実態、受領への不与解由状、悪徳受領への悪状善政を敷いた儒官受領、受領の任国入り、3「都」と「鄙」、二項対立的な都鄙意識、菅原道真の鄙への悲哀、才女二人の鄙蔑視、4受領階級に生まれた才女たち、機知に富む清少納言、漢学に苦しんだ紫式部、恋多き和泉式部、和泉式部の娘・小式部内侍、「源氏物語」に憧れた孝標の娘、

平安京から京都へ

1変わりゆく都、「池亭記」に見る都の変化、栄える左京、紫式部が描いた京、「東朱雀」の出現、建ち並ぶ貴族の邸宅、歴史の静観者ー鴨川、2院政政権と都市域の拡大、洛外の上皇御所・鳥羽離宮白川殿と六勝寺、後白河院と法住寺殿、平家と六波羅官、平家の西八条第、3寺院と邸宅、東寺と西寺、六角堂と革堂、貴族たちの御堂建立、京外の寺社と邸宅、洛東の寺院、4市から町へ、東市と西市、市から店棚へ、建ち並ぶ店舗と富裕商人、巷所と辻子・道路の侵食と新造、

平安京の災禍ー疫病・飢饉・地震

1鴨川の氾濫、寺社勢力の強訴、天下の三不如意、洪水対策と防鴨河使、路上の汚穢、錦小路の由来、2疫病と祭礼、疫病蔓延による惨状、怨霊鎮めの祭り、祇園御霊会、山鉾の大型化、平安時代を代表する賀茂祭、祭列行列の見物、3現世の地獄、源信が説く厭離穢土、「源氏物語」の背後の地獄、強盗・殺人・放火①ー紫式部も遭遇した盗賊事件、強盗・殺人・放火②ー狙われた豪華な女性装束、強盗・殺人・放火③ー多発する強盗による放火、強盗・殺人・放火④ー院政以降の強盗殺人事件、都市の治安維持、4「方丈記」に見る災禍、太郎焼亡・次郎焼亡、養和の飢饉、鴨長明が体験した文治地震、京を襲った地震、

末法と浄土の世

平等院鳳凰堂、源信「往生要集」、空也、武士の時代へ

まとめ

平安京誕生の裏側、ニュータウン平安京、平安人の昼と夜、藤原北家をめぐる王朝ドラマ、政治と結婚、受領と才女、平安京から京都へ、平安京の災禍、末法と浄土の世で構成、本書は「平安京よもやま話」と「疫病」から書籍化、編集協力者として伊東ひとみ氏を得刊行できた、

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