道徳的に考えるとは、どういうことか

本書は道徳的観点から物事を考えるとはどういうことなのかを探求したものである、著者は大谷弘、東京大学大学院人文社会系研究科博士課程満了退学、東京女子大学現代教養学部准教授、専門は西洋哲学

当たり前を問い直すーなぜ法律に従うべきなのか

高速道路料金不払い運動、和合の主張への批判、キング牧師の公民権運動、キング牧師の主張、なぜ法律に従うべきなのか、当たり前、「当たり前」が通用しないとき、道徳的思考と論証の吟味、道徳的想像力、

想像力を働かすープラトンの「クリトン」を読む

ソクラテスと不知の自覚、ソクラテス裁判、「クリトン」(脱獄を巡るクリトンのやり取り)、単に生きるのではなく・よく生きる、正義の原理と国法の登場、尊敬論証、同意論証、コーラ・ダイアモンドと「クリトン」、一般主義解釈の問題点①ー尊敬論証、一般主義解釈の問題点②ー同意論証、同意論証の非一般主義解釈、尊敬論証の非一般主義解釈、知識と想像力、個人的かつ客観的な倫理、

意味の秩序を現出させるー想像力と言語ゲーム

想像力とは何か、感情・理性・想像力、想像力と意味、言語的意味・言われていること・含み、イメージと意味、後期ウィトゲンシュタイン哲学、言語ゲームと生活、道徳的思考と言語ゲーム、意味内容の更新、一つの言語を想像するとは・一つの生活の形を想像することである、古代ギリシャから現代日本へ

動物たちの叫びに応答する―応用倫理学における想像力

動物倫理、パーソンとしての動物ー一ノ瀬の議論のアウトライン、ロックに基ずく論証・意識、標準的な読みとその問題点①ー「声を上げる能力」の多義性、標準的な読みとその問題点②ーパーソンにこだわる理由、類似性が存在しないと思われるところに類似性を見て取ること、想像力を刺激する、現実に狼狽すること、関連する一ノ瀬の議論、動物たちの叫びに応答すること、但し書き

感情を信頼するー道徳的思考とと感情

理性と想像力、理性と感情、レイチェルズ父子の見解・理性、感情の正当性について、エリオットの症例・理性的吟味、ソマティックマーカー仮説(感情は少数の選択肢のみを理性的吟味に用意す)、発見と正当化、「ハックルベリー・フィンの冒険」・逃亡奴隷、ハックの葛藤、感情の信頼性、純粋な感情、理由としての感情、道徳的思考のスタイル、

多様なスタイルで思考するー槇原敬之の倫理学

文学と倫理学、非主流派の倫理学、功利主義、ダイアモンドの思考実験、功利主義と欲求の充足、ダイアモンドのディケンズ論(悪党蘇生)、他者への非批評的な関わり方、仕返しと強がり、前向きの視点と後ろ向きの視点の共存、導き手としての「僕」、パフォーマンスとしてのポピュラー音楽、範例(道徳的評価の理由)、道徳的思考とポピュラー音楽、

まとめ

当たり前を問いただす、想像力を働かす、意味の秩序を現出させる、動物多たちの叫びに応答する、感情を信頼する、多様なスタイルで思考するで構成、本書は様々な道徳的側面を扱ってきた、パッチワーク的であり理論的説明を与えるようにはなっていない、道徳的観点とはごちゃごちゃとした活動である、

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