アメリカ連邦議会

本書はアメリカの連邦議会の特徴や立法過程について日本の関係者に有益な基本事項を概説したものである、著者は石垣友明、東京大学法学部中退、米国アマースト大学卒業、外務省入省、現在は在アメリカ合衆国日本国大使館公使(議会担当)

独立・分権的な上院と下院

1はじめに、2上院と下院―その沿革と特徴、下院の特徴、上院の特徴、連邦議会の会期、3下院の構造・制度・運営、議員の資格要件・選挙区の決定、多数党主導の議事運営、下院の委員会、指導部の強固な影響力、下院の先議事項、代議員の存在、4上院の構造・制度・運営、議員の資格要件、個々の議員の重要性と60票確保の困難、フィリバスターの意義、ボトムアップの意思決定、議長職、上院固有の権限ー条約の承認と高官人事の承認、上院の委員会、5連邦議会の立法範囲ー州との関係、連邦と州の二元的な関係、憲法上の連邦議会と連邦法の位置づけ、州際通商事項の運営と立法の構造、6まとめー分権的な議会の構造、

法案作成と手続き

1はじめに―立法過程の特徴、2立法過程の基本的な構造、3法案の基本的な形式と意味、法案提出の意義、立法の形式、法案の提出・共同提案、4下院での審議、法案提出と委員会審議、本会議での審議、採決の特徴、5上院での審議、法案提出と委員会審議、委員会での審議・採決、本会議での審議・採決、6法案提出のための調整手法、両院協議会の役割と機能、上院・下院間の調整の困難、オムニバス法案、7行政府の関与(法案の作成・大統領の署名・拒否権)、法案の作成への行政府の関与,署名と拒否権の手続き、拒否権行使の実績、

連邦予算の制度と編成過程

1はじめにー連邦議会主導の予算編成、2アメリカの予算制度、憲法および法律上の根拠、連邦議会の権限、予算審議の日程、予算策定の基本的な流れ、3連邦予算の基本的な考え方、授権と歳出、予算決議、財政調整法案、予算関連条項の確認、予算の使途特定、財源確保の原則、4予算の審議と採決、上下院委員会・本会議での審議・採決、つなぎ予算と連邦政府閉鎖、両院間の調整、大統領の承認、5債務上限を巡る議論、

対外関係への議会の関与

1連邦議会の様々な機能、国政調査・行政監視、政府高官・裁判官・軍人の人事承認、大統領・各省等への書簡の発出等、弾劾決議・裁判、憲法改正、2連邦議会の1年・1週間・1日、議会の1会期と1年、連邦議会の1週間、連邦議会の1日、3議会の構造と周辺、議事堂、上院・下院会館、4議員の出身背景・活動の特徴、連邦議会議員の経歴・背景、議員の年齢、女性議員の登場と活動、再選と在任暦、コーカスの機能と役割、5連邦議会を支えるスタッフ、議員スタッフ、連邦議会職員、6議会を巡る利害関係者,省庁・団体の渉外部門、ロビイスト、

対外関係への議会の関与

1はじめにー連邦議会が各国・企業・個人に及ぼす影響、2対外関係の予算・法律、3条約の承認、憲法上の規定、上院の同意と承認に関する歴史的展開、条約と行政取極との区別、行政取極に関する実務的な対応、上院での条約承認の手続き、上院での条約承認の課題、4貿易投資関連の法律・国際約束へーの議会の関与、貿易投資関連法案および協定・TPA(貿易促進法案)、公聴会を通じた国政調査・行政監視、5経済制裁ー連邦議会の国際企業活動への影響、経済制裁の概要、経済制裁を実施するアメリカの法的な枠組み、経済制裁と連邦議会の関係、6武力行使・宣戦、布告、憲法上の武力行使・宣戦布告の例、戦争権限法と議会・行政府の関係

選挙制度

1はじめにー連邦の規制と多様な各州の選挙制度、2連邦議会の選挙制度の概観、憲法上の規定、有権者登録と政党支持、予備選挙と本選、投票・開票の方法、3選挙区区割りの実際ーゲリマンダリングと規制、ゲリマンダリングの由来と展開、区割りの背景と最近の傾向、4選挙運動と選挙資金、選挙運動ー選挙陣営と活動内容、選挙資金ー使途と規制、大統領選挙と中間選挙の関係、5大統領選挙、大統領選挙人を通じた間接選挙、大統領と連邦議会の関係(大統領の議員歴等)、

歴史の中の連邦議会

1はじめに、2憲法創世記の理念と議会の変容、連邦重視派と州権重視派の対立、ポピュリズムと猟官制、奴隷制度と連邦議会ー南北戦争への道、戦後復興・州の拡大と女性参政権の実現、3戦争・恐慌と孤立主義ー第二次世界大戦までの主な動き、第一次世界大戦と上院の孤立主義、世界恐慌後のニューディール政策と議会、大統領・行政府の権限拡大と戦時中立、4公民権運動と戦争への関与ー第二次世界大戦以後の展開、公民権運動と投票権法、ベトナム戦争と連邦議会、9.11同時多発テロと」アフガニスタン・イラク戦争、5最近の大統領・行政府と議会の関係の特徴、オバマ大統領ーねじれ議会と大統領令・行政取極の多様、トランプ政権ー大幅減税、最高裁判事の任命と弾劾裁判、バイデン政権ー民主党多数の議会での重要法案成立、まとめー二大政党制の変遷と勢力の盛衰、

今日の課題と可能性

1はじめに、2連邦議会の最近の傾向、ソーシャルメディアの発達と弊害、党派対立の激化と議員同士の交流の減少、党派を超えた合意形成の課題、二大政党制に対する批判・懐疑論、3議会に影響を及ぼす国内外の要因、アメリカの優位性への懐疑と孤立主義、貿易保護主義とアメリカファースト、社会問題を巡る対立、4連邦議会の将来と可能性、対立の克服と制度のへの信頼、政策議論の進展、議会手続きを巡る議論と見直し、議会の人材と専門性、草の根からの民主主義の強靭性、5まとめー対立を内在しながら変革する統治機構、

まとめ

独立・分権的な上院と下院、法案作成過程と手続き、連邦予算の制度と編成過程、議会の機能・運営・陣容、対外関係への議会の関与選挙制度、歴史の中の連邦議会、今日の課題と可能性で構成、日本と全く異なる、アメリカ建国以来の連邦議会の歴史や制度の背景、立法過程を概説したものである、

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