本書は星や月といった天文学の素材を通して賢治の作品に触れる旅行記である、著者は渡部潤一、東京大学大学院を経て東京大学東京天文台入台、現在は同天文台上席教授・総合研究大学大学院教授、天文学者・理学博士
賢治の生きた時代へ
石っこ賢さん、理科少年と星空、中学生の賢治が見上げた星、詩歌への目覚め、文学と天文、さそりの赤い眼、星に見つめられて、賢治の信じる心、親友・保坂嘉内、傷心、帰郷、
教師・宮沢賢治の星空
月夜のでんしんばしら、東岩手火山、かしはばやしの夜、鳥の北斗七星、シグナルとシグナレス、雪渡り、水仙月の四日、よたかの星、永訣の朝、青森挽歌、冬と銀河ステーション、
賢治・大地に根ざす
草野心平との出会い、心平への手紙、迷い道の苦悩、教職との決別、嘉内の影を追って、羅須地人協会の設立、大地と向き合う、理想を追い求めて、理想と現実、運命のいたずら、
ふたたび石に向きあう
志を同じくする人との出会い、生きる意欲、ビジネスマン・宮沢賢治の誕生、猛烈社員の手帳、遺書をしたためて、雨ニモマケズ手帳、グスコーブドリの伝記、
そして・宇宙へ
星座早見、幻想の世界への旅立ち、カムパネルラとの旅、天の野原、りんどうの花、はくちょう座、プリオシン海岸、鳥たちの星、アルビレオの観測所、四次元空間、わし座、神の国へ、幻想空間のりんご、からす座からくじゃく座へ、ジョバンニと賢治、インディアン座、ふたご座、さそり座、ケンタウルス座、南十字星、天の川の向こう、石炭袋、もう一つの「銀河鉄道の夜」・すばるの謎、カルパネルラとの別れ、現実世界の悲しみ、賢治宇宙へ
まとめ
賢治の生きた時代へ、教師・宮沢賢治の星空、賢治大地に根ざす、ふたたび石に向きあう、そして宇宙へで構成、本書はNHK「コズミックフロント」ホームページに連載した「星空紀行・銀河鉄道の夜汽車に乗って」を書籍化したものである、