著者は中野京子、作家・ドイツ文学者、絵画エッセイや歴史解説を多数発表、本書はオール読物の連載を再編集したもの、名画対決
①死んでもいい
接吻と殉教、クリムト「接吻」/カラヴァッジョ「聖マタイの殉教」、
②パリのダンス場
昼と夜、ルノワール「ムーラン・ド・ラ・ギャレット」/ピカソ「ムーラン・ド・ラ・ギャレット」、
③不肖の息子
ゴッホとセザンヌ、ゴッホ「画家の祖父の肖像」/セザンヌ「「レヴェヌマン」紙を読む画家の父」
④飛翔する赤ん坊
神の御使いとキューピット売り、ムーリヨ「無原罪の御宿り」/ヴィアン「キューピット売り」
⑤嫌われ老人
セクハラと時の翁、ジェンティレスキ「スザンナと長老たち」/ヴ―エ「希望と愛と美に打ち負かされる時の翁」
⑥横たわる美女
ヴィーナスとスキャンダラス、ティツィアーノ「ゥルビーノのヴィーナス」/マネ「オランピア」
⑦音楽家
独奏会と農民の踊り、ドラクロア「ヴァイオリンを奏でるバガ二―二」/ブリューゲル「農民の踊り」
⑧映画を彩る絵
ネブカドネザル王とオフィーリア、ブレイク「ネブカドネザル」/ミレイ「オフィーリア」
⑨男の美貌
国王と殉教者、リゴー「ルイ15世の肖像/レーニ「聖セバスティアヌスの殉教、
⑩麗しの王妃
オーストリアとフランス、ヴィンターハルター「オーストリア皇妃エリザベート皇后」/ヴィンターハルター「フランス皇妃ウ-ジェニー」
⑪美味しい食卓
イタリア料理とペルー料理、ヴェロネーゼ「カナの婚礼」/サパタ「最後の晩餐」
⑫魔女たち
中年主婦と三魔女、テニールス(子)派「サバトへの出発」/アルマ=タデマ「見晴らしのよい場所」・暗殺に有利な場所、
⑬我が子を拝む
ネーデルランドとイタリア、フース「ポルティナリの祭壇画」/リッピ「聖母子と天使」、
⑭海難の恐怖
筏と海に投げ出された少年、ジェリコー「メデュース号の筏」/コプリー「ワトソンと鮫」、
⑮仲良し夫婦
優等生と落第生、ルーベンス「ルーベンスとイサベラ」/レンブラント「酒場のレンブラントとサスキア」
⑯夫への思い
信頼の夫と愛人を作り去った夫、モリゾ「ブージヴァルの庭のウジエ―ヌ・マネと娘」/レンピッカ「ある男の肖像」、
⑰変身無限
牝牛と女神、ティツィアーノ「エウロペの略奪」/ブーシェ「ゼウスとカリスト」、
⑱冥界の渡し守
風景画と宗教画、パティニール「ステュクス川を渡るカロン」/ミケランジェロ「最後の審判」、
⑲飲んだくれ
アブサンとウオッカ、ドガ「カフェにて」/レーピン「作曲家モデスト・ムソルグスキーの肖像」
⑳アメリカンな大都会
ブギウギとナイトホークス(夜更かし)、モンドリアン「ブロードウエイブギブギ」/ホッパー「ナイトホークス」
まとめ
主題は同じでも表現は違う、比べることで見えてくるもの、意外な発見を楽しもうという趣向、