弥勒信仰

弥勒信仰は阿弥陀信仰とならぶもう一つの浄土信仰である、しかし現在有力教団をもたず研究者の関心が薄れている、本書は弥勒信仰の伝来・展開を法然・親鸞の中世浄土教確立に至るまでを述べたものである、著者は速水陏、北海道大学大学院文化研究科史学専攻単位取得退学、東海大学名誉教授、2015年没、

弥勒の救い

弥勒菩薩・兜率天上に住み仏として地上に下生し末世を救う、弥勒の三部経、兜率天、竜華三会、上生信仰と下生信仰、天上の浄土・地上の浄土、阿弥陀浄土か弥勒浄土か、

弥勒信仰の成立

1大陸の弥勒信仰、弥勒信仰の発生、中国への伝来、道安と法顕、竜門石窟、民衆反乱と弥勒下生、新羅花郎、弥勒信仰の展開の傾向2弥勒信仰の伝来、弥勒像の伝来、飛鳥時代の弥勒像、天寿国の謎3律令社会と弥勒信仰、天智朝の弥勒信仰、奈良朝の弥勒信仰、奈良朝の弥勒信仰は上生信仰、橘奈良麻呂の弥勒会、民衆の弥勒信仰、奈良朝の浄土思想と弥勒信仰、弥勒信仰発達についての諸説、円珍の上奏文、天とは兜率天、兜率上生と持戒、戒と礼、仏儒帰一、律令国家と弥勒信仰、阿弥陀信仰の進出と弥勒信仰・極楽の優・兜率の劣、

弥勒信仰の発達

1天台・真言宗と弥勒信仰、法華経と弥勒信仰、空海の弥勒信仰、大師入定信仰、入定信仰の発生、大師入定と弥勒信仰、入定信仰の普及、2浄土宗の発達と弥勒信仰、浄土宗の発達、兜率往生者の輩出、勧学会貴族と弥勒信仰、往生要集の説、空也と歓喜、法華験記の人々、阿弥陀・弥勒信仰併存の理由、極楽・兜率の等質化、

中世浄土教の成立と弥勒信仰

1民間弥勒信仰の変化、下生信仰の発生、下生信仰とその系譜、埋経の流行、末法到来、末法到来と民間の下生信仰、極楽に往生し・三会に値遇せん、兜率上生の没落、三会のあかつき疑わず、2貴族社会上生信仰の存続、貴族社会の下生信仰、上生信仰の存続、上生信仰存続の理由、貴族社会の末法観、貴族の罪悪感・民衆の罪悪感極楽・兜率の間にのぞみをとげん、

中世浄土教の成立と弥勒信仰

1旧仏教と弥勒信仰、法然の出現、法然を批判する人々、釈迦と弥勒は一体、貞慶の弥勒信仰、弥勒念仏、兼実と法然・貞慶、旧仏教の弥勒信仰の限界、2民衆の中の弥勒信仰、三会のあかつきを待つ人々、桜池伝説、弥勒等同、ミクロの世、エエジャナイカ、幻のユートピア、

まとめ

弥勒の救い、弥勒信仰の成立、弥勒信仰の発達、末法思想と弥勒下生、中世浄土教の成立と弥勒信仰で構成、弥勒を信じ龍華三会の暁に会い親しく弥勒の説法に接し救済に預かりたい、本書は「読み直す日本史」として採択されたものである、

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