東アジア共通の教科書、日本の受容、儒教の歴史、親孝行、書物の交流史、忠孝の観念、著者は橋本秀美、東京大学文学部中国哲学専攻、二松学舎大学教授、著書「論語―心の鏡」他
概要
書物の誕生と鄭玄による体系化―漢代まで、儒教経典のはどうかたちづくられたかー孔子とその弟子・會子との問答、「仁」と「順」と「孝」、四書五経と孝経、漢代の学術と儒学、皇帝の学び・官吏の学び、漢書・藝文志から分かること、孔子の旧宅から見つかった古文孝経、古文VS今文―儒学史の幻想、今文孝経と古文孝経は章構成が異なる、鄭玄による儒学の体系化、テキストと注の一体化、鄭玄の孝経注釈が成し遂げたこと、鄭注の不況、テキストは変化、日本で再発見された鄭注ー群書治要という書物、古文孝経と孔安国伝の謎―魏晋南北朝時代、反鄭学の台頭―漢代以後の儒学史の流れ、経学と実学の並立体制、孔安国による古文尚書・古文孝経・注釈ー孔伝魏晋南北朝期の朝廷と孝経、貴族たちの祈り、孔伝の再出現、隋の文帝と蘇威、絶好の資料ー劉炫「孝経述講」、日本で流行する孔伝、太宰春台の校訂本が中国に逆輸入、孔伝と管子、相互性の重視と人間の自然的感情、テキストが確定されるー唐・玄宗御注の成立、石台孝経と開成石経、今日まで伝わるテキストの確立、唐代の儒・仏・道三教併存体制ー孝経・金剛般若経・老子、五経正義―標準テキスト編纂の意味、劉知幾VS司馬貞、玄宗皇帝自身による注釈、開元と天宝・二度のプロジェクトー激動朝、孝経注疏ー玄宗御注と元行沖疏、経典と「経典釈分」の印刷ー北宋の整理①、邢昞疏ー北宋の整理②、開元本は日本にのみ遺るー文献伝承における累積と上書き、鄭注・孔伝から御注、使われる経典に―宋から明清へ、古文の復活、」古文の分章・章順序、注から評へ、鄭注と孔伝の散逸、朱子の「孝経刊誤」、余波、董鼎・呉澄、民間への応用 、明清皇帝の聖諭明末の孝経復興運動、黄道周、清代の議論と研究、江戸時代の孝経研究、鍬形蕙と葛飾北斎、鈴木順亭と林秀一、孝経を読んでみよう、開宗明義章第一、天子章第二、諸侯第三、卿大夫第四、土章第五、庶人章第六、三才章七、孝治章第八、聖治章第九、紀孝行章十五刑章第十一、広要道第十二、広至徳章第十三、広揚名章第十四、諫諍章第十五、感応章第十六、事君章第十七、喪親章第十八、儒教2000年の旅、
感想
経典の誕生後、鄭玄により体系化、鄭注が散逸、孔安国による「孔注」、「玄宗御注」でテキスト確定、使われる経典になった、「孝」を巡る旅、
まとめ
孝経が映し出す儒教の世界、書物の誕生と鄭玄による体系化、「古文孝経」と孔安国伝の謎、テキストが確定される、使われる経典に、孝経を読んでみようを考察、「孝」誕生から鄭注、孔注、玄宗による御注で確立、使われる孝経になった歴史を振り返る、