レビュー・ベートーヴェン第九の世界    

マウトハウゼンの第九、音楽という領域を超えた第九の作られた背景、作品が辿ったその後の数奇な運命を振り返る、著者は小宮正安横浜国立大学教授、専門はヨーロッパ文化史・ドイツ文学、東京大学大学院人文社会科学研究科独文科博士課程単位取得、訳著書「ばらの騎士」他、

概要

死者もまた生きるのだ―混乱する革命と第九への道、疾風怒濤とシラー、逃亡性格が生んだ歓喜に寄す、啓蒙時代の歓喜と理性、フリーメーソンと歓喜、啓蒙主義の鬼っ子シラー、啓蒙主義的改革の小宇宙ボン、新君主マクシミリアン・フランツとベートーヴェン、第九を予見させる二つのカンタータ、消滅した歓喜に寄す作曲計画、革命後の恐怖政治と救出劇、ナポレオン、堪え忍べ・より良い世界のために、ー混迷する政治体制と第九の萌芽、歓喜に寄すの改訂、第九の先駆け「合唱幻想曲」、ナポレオン敗戦大演奏会、ウイーン楽友協会誕生、声楽付き交響曲、第九の萌芽、保守反動体制弁証法との確立、その方を星の輝く天幕の彼方に探せー理想の希求と第九の誕生修道僧の歌、現代のプロメテウス、ロンドン・フィルハーモニック協会からの依頼、新作交響曲の構想、「荘厳ミサ曲」、平和へ統合、シラーとベートーヴェンの歓喜に寄すの比較、さあ声を合わせよう、より喜びに満ちた音に、ー未知への挑戦と第九の誕生、喜びに寄せる頌歌、弁証法とソナタ形式の哲学、第一楽章・死から逆算された闘争、第二楽章・危険ないたずら、第三楽章・究極の平安、第四楽章・限界の突破と独唱・合唱・革命の先の新たな社会へ最後の休符・祈り、ベートーヴェンとロッシーニ、それができない者は、そっと立ち去るがよいー初演の経緯と19世紀の第九、ウイーン初演の経緯、三人の指揮者、ベートーヴェン全聾説の虚実、再演tと楽譜出版、献呈先の模索、とてつもなさ、生前上演の歩み、第四楽章カット、ワグナー奮闘、排除、カルト的要素、ドイツ音楽の楽聖、ドイツナショナリズムとマーラー、分離派、進め・兄弟よ・君たちの行く道をー激動の現代と第九の変容、オリンピックと第九、ナチスによる排除、ヨーロッパ賛歌の問題、ベルリンの壁崩壊と第九、ボウイ・キューブリックらによる換骨奪胎、日本における第九の萌芽、九州から、レコードコンサートから実演、レコード予習というお勉強、年末第九、与えられた平和を寿ぐ、大衆啓蒙主義の広がり、アマチュア合唱団登場、日本独自の祭り第九、村社会、第九が映し出す個人と社会、第九の歴史、

感想

ベートーヴェンの音楽とシラーのテキストが創り上げた強力なメッセージは音楽以外の世界にも様々な影響を与えている、マウトハウゼンの第九は、「過去を忘れるものに未来はない」で終わっている

まとめ

死者もまた生きるのだ、堪え忍べ・よりよい世界のために、その方を星の輝く天幕の彼方に探せ、さあ・声を合わせよう・より喜びに満ちたものに、それができない者は・そっと立ち去るがよい、進め・兄弟よ・君たちの行く道を考察、革命期に誕生した第九の時代と時代にに翻弄され続ける危険性を秘めた第九を語る、

マウトハウゼンの第九、音楽とシラー

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