疫病の古代史

蘇民将来伝説のリアリティ、出土した蘇民将来札、本書はそ日本古代の疫病が、その時代相との連関の中で、どのように発生・対処・変化していったのかを追求したものである、著者は本城総子、京都大学大学院博士後期課程研究指導認定退学、現在は京都府立大学准教授、

疫病へのまなざしと二つの大疫病

1疫病という概念、疫病とは何か、疫病の原因いろいろ、疫病の語釈と定義、歴史に見る疫病、疫病報告制度、報告制度の後退、疫病観測手段の変化、2奈良時代の大疫病、未曽有の事態、疫病の正体、天平七年の疫病流行、一時的な収束、楽観と復興策、行政の停滞、疫病の再来と遣新羅使、天平九年の疫病流行、犠牲者はどのくらいいたのか、3平安時代の大疫病、大疫病の再来、第二波の到来、疫病の正体、3大疫病の共通点、新種の脅威、海外から流入する疫病、

古代疫病の流行の仕組み

1都と疫病、疫病はどこから、京と畿内の死亡率、京から伝播する疫病、家庭から切り離されて、運脚たちの食料不足、帰国できない運脚たち、運脚と調邸、京での日雇い労働、疫病を運ぶもの、2疫病と農業、飢餓が起こす疫病、古代日本の季節感覚、流行する時期、コメの生産時期、あまねく支給される田、田祖の徴収と備蓄、コメ中心の経済、コメ依存とそのリスク、コメ社会の「持久可能性」、コメ以外の栽培とその限界、疫病が起こす飢餓、耕作不能の田の増加、3信仰と感染の観念、禊の文化が疫病を防ぐ、穢れの忌避と疫病の関係、経験的な感染の観念、疫病回避の方法、生存戦略としての防疫、防疫と倫理、病人を追い出す貴族たち、穢れを理由に追い出す、貴族と「下人」、

疫病の時代相と人々の向き合い方

1奈良時代の疫病、流行の波、人工は減ったか、2桓武朝の転機ー疫癘間発、遅延する復興、桓武天皇の方針転換、負の遺産を受け継いだ平城天皇、止ま時代へ、疫病頻発の時代へ、、3古代における疫病対策、政府の通達した対策、薬の禁止と食料給付、食料給付の実効性、農業と分権、勧農と復興、交通路での祭り、二つのオオエ山。神仏の祈り、接触の自粛、免疫の活用、食を求めて
、祈りの向かう先、魂の仕業か・神の仕業か、故実を参照する、

人間社会と疫病の姿ーエピローグ、菅原道真の漢詩による疫病、古代の疫病流行の特徴、稲作社会が抱えたリスク、現代社会と疫病、

まとめ

疫病へのまなざしと二つの大疫病・天然痘と麻疹、古代疫病流行の仕組み、疫病の時代相と人々の向き合い方を考察、疫病の歴史性を追求した、

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