本書は無常という中国の死神について論じるマニュアックな代物である、著者は大谷享、中央大学卒業、東北大学大学院で博士号取得、在学中に廈門大学留学、現在は東北大学大学院国際文化研究科フェロー、無常党副書記、専攻は中国民俗学、
無常を採集する
1廟、無常はどんな廟に祀られているか、城隍廟‣東嶽廟の無常、その他の無常、2祭り、迎神賽会の見学方法、金門の迎城隍、福州の「九案泰山十三郷巡游」、3口頭伝承、廟内で採集できる無常伝承、廟外で採集できる無常伝承、山村で採集できる無常伝承、
無常珍道中A-地獄のシンデレラ、山東省無常菏沢市鄄城県信義村・信義大廟、「吉大哥」、珍道中Bー地獄の扉を開いたのは誰、山東省渮沢市鄄城県閻什鎮閻什村‣砂土廟、
無常を観察する
1無常イメージの変遷ーもともと黒無常はいなかった、「点石斎画報」の場合、「玉歴鈔伝」の場合、無常の原型、2無常信仰の発展原理1ー馬巷城隍廟の無常信仰を事例として,馬公巷城隍廟の謝必安と范無求、馬巷城隍廟の周辺に点在する保長公小廟、3無常原理の発展原理2ー東南アジア華人の無常信仰を事例として、無常の官位昇格儀礼、無常の問神儀礼、
無常珍道中C-地獄のふもとの不届き者ども、山西省臨汾市蒲県・東嶽廟、食堂のジジイと占いオババ、無常珍道中Dー地獄のゼリービーンズ、重慶市長寿区但渡鎮末名村、
無常を考察する
1黒無常の誕生ー摸壁鬼というバケモノに着目して、「申報」の摸壁鬼、筆記の摸壁鬼、民俗舞踊の摸壁鬼、2白無常の誕生ー山魈というバケモノに着目して勾魂をめぐる類似、体躯のサイズをめぐる類似、帽子をめぐる類似、二元性をめぐる類似、虎をめぐる類似、一本足をめぐる類似、
無常珍道中Eー地獄の美熟女、山東省渮沢市鄄城県信義村・信義大廟、澤氏
まとめ
無常というのは勾魂使者と山魈が混交することで成立、無常を採集、観察、考察、と紀行文「無常珍道中AからE 」を入れた、