社会保障の問題はどこにあるか、勤労の義務を問い直し、人々の意識と法的権利、理想の社会保障に向け共同作業、著者は山下慎一、福岡大学法学部教授、FUスポーツコミュニティ理事、九州大学大学院法学府公法・社会法学専攻博士後期課程単位取得退学、著書「社会保障のトリセツー医療・年金・介護・労災・失業・障害・子育て・生活保護・困ったときに役所の窓口に持っていく本」他
概説
なぜ働き方によって社会保障が違うのかー労働者と自営業者、1社会保障の全体像、老後4880万円問題、労働とは何か、労働者と自営業者、日本の社会保障の体系、2公的年金における違い、公的年金の構造と老年期の差、同業者同士での対応の限界、3医療における違い、公的医療保険の構造、自営業者への対応、4失業時・雇用継続対策における違い、雇用保険の適用関係による違い、求職者支援制度、5労働保険という仕組み、労災保険の適用の有無による違い、労災保険への特別加入、なぜ働き方で分立しているのかー四つの社会保障、1制度がつくられた時代、戦後日本の就業構造、農林業が中心だった時代、2公的年金はなぜ分かれたかー国民年金と厚生年金、公的年金の歴史、労働者年金の設立と厚生年金への改組、国民年金の設立をめぐって、自営業の所得を把握するのは難しい、なぜ公的年金は分かれたか、3公的医療保険はなぜ分かれたかー国民健康保険と健康保険、現在の公的医療保険、国民健康保険の制定・改正をめぐって、なぜ自営業には傷病手当金等がないか、4雇用保険はなぜ自営業には適用されないか、雇用保険とはなにか、自発的な失業、5労災保険はなぜ自営業者には適用されないのか、労災保険とは何か、特別加入とその例外性、6社会保険はなぜ分かれたか、制度分立の理由、労働者中心の社会保障、なぜ使いにくいのかー社会保障と情報提供義務、1社会保障と情報提供義務、申請しないと給付は受けられない、情報提供義務をめぐる先駆的裁判例、その後の裁判例、2行政以外の情報提供義務、民間主体と情報提供義務、行政の肩代わり、3他分野との比較、企業年金分野との違い、厚生年金基金と情報提供義務、確定給付年金と情報提供義務、社会保障法領域との比較、4情報提供義務のどこが問題か、情報提供義務の意義、情報提供義務の限界、生活保護のうしろめたさー社会保障と勤労の義務、1生活保護を受給できるのは誰か、働かなくても生活保護を受けられる、稼働能力とは何か、2行政による指導・支持、受給中は指導・指示を受ける、働きながら生活保護を求めたXさんの事案、職業選択の自由、裁判所の判断内容、勤労の義務と生存権、3生活保護と不正受給、最低生活費はどう決まるか、不正受給は増えているのか、不正受給の事案、不正受給の背景にある様々な事情、働くことをめぐる規範意識、4勤労の義務という精神、法の根本にある勤労の義務、勤労の義務という倫理観、勤労の義務という呪縛、勤労の義務の意味ー日本国憲法制定時の議論を読む、1なぜ勤労の義務を検討するか、勤労の義務規定と法的な効力法解釈に唯一の正解はない、2日本国憲法制定時の帝国議会の議論帝国議会の衆議院本会議での議論、衆議院帝国憲法改正委員会での議論、3衆議院帝国憲法改正小委員会による勤労義務の挿入、小委員会の構成と生存権への言及、勤労か労働か、勤労とは何か、法的義務か道徳的義務か、道徳的義務としての見解の一致、文言の確定、4勤労の義務の法的意義、イデオロギーを超えた合意、勤労と義務、働くことと社会保障を切り離す、1変化する働き方、働き方と社会保障の関係を問い直す、非正規労働者などの状況、変化する自営業者の就業実態、労働者という働き方の変容、2社会保障をめぐる論争史、公的年金ー民主党の年金一元化案、医療保険ーコロナ禍による部分的な実現、雇用保険とその周辺をめぐる動向、労災保険における特別加入、3働くことと社会保障を切り離す、依然として残る労働者中心主義、働き方の順位付けと法解釈問題、働くことと社会保障を切り離す、技術的な問題、新しい社会保障のために、1現行制度とどうつなげるか、問題点のおさらい、現行制度をベースとした年金と医療の構想、現行制度をベースとした雇用保険の構想、現行制度をベースとした労災保険の構想、技術的な問題をどう乗り越えるか、複雑であっても利用しやすい社会保障、生存権の実現ー働かざる者食うべからずを問い直す、2まったく新しい社会保障へ、社会保障を編み直す、最低生活保障を編み直す、社会保障の問題点について知りたい方におススメ、
感想
社会保障が目指す最低生活とは何か、文化的で健康的な生活ではないか、贅沢とはなんだ、安全で豊かな暮らしが欲しい、
まとめ
なぜ働き方によって社会保障が違うのか、なぜ働き方で分立しているのか、なぜ使いにくいのか、生活保護のうしろめたさ、勤労の義務の意味、働くことと社会保障を切り離す、新しい社会保障のためにを考察、労働者と自営業者・生活保護のうしろめたさに言及した