徳川吉宗の享保の改革で、江戸幕府に仕えた室鳩巣の人物とその著述「駿台雑話」について考察、著者は川平敏文、九州大学大学院教授、九州大学大学院博士後期課程修了、専攻は日本近世文学思想史、著書は「徒然草・無常観を超えた魅力」他
概要
鳩巣江戸へー不遇意識のゆくえ、幕儒・室鳩巣の誕生、儒学者への道、加賀藩儒時代の師友、前田綱紀は名君か、漢詩の寓意、新井白石との関係、書簡資料、兼山麗澤秘策の存在、幕儒としての日々、1高倉屋敷公開講釈、林家の聖堂講釈、吉宗の𠮟責、木門の高倉屋敷講釈、伸びない受講者数、直参の無関係、2吉宗の御前講釈、初めての御前講釈、吉宗の下問、貞観政要と吉宗、侍講の効果、庶民教科の時代、1吉宗の文教ビジョン、教化政策、六諭と六諭衍義、東アジア研究
、六諭衍義和訳の下命、前田綱紀の反応と林家、2六諭衍義大意の官刻、鳩巣と吉宗の文教イメージ、荻生徂徠による付訓本、大意の完成、吉宗と鳩巣の教育観、駿台雑話の成立、
1武家知識人としての累計、五常五倫名義、佚斎樗山と岩田彦助、執筆の年齢と動機、西丸奥儒者へ異動、病状の悪化、2談義本と随筆のあいだ、雑話の執筆と構想、はなしとしての雑話、雑話の献上と刊行、文章のこだわり、異学との闘い1正学の思想、雑話の図取り、闇斎学・陽明学・仁斎学の論点と批判、徂徠学の論点と批判、老僧が接ぎ木の真意、2鳩巣の儒者評判、闇斎学派①三宅尚斎・松田善三郎、闇斎学派②佐藤直方・跡部良顕、陽明学派・三輪執斎、仁斎学派・伊藤仁斎・伊藤東涯、徂徠学派①荻生徂徠、徂徠学派②荻生北渓・山田麟嶼、3林家・木門との関係、林家ー林鳳岡・榴岡、木門ー木下菊譚・雨森芳洲、その他、武士を生きる、1明君の条件、武士の血、楠諸士教、家康説話ー去私・納諫・択官、吉宗の評判、質素、納諫、択官、吉宗への不満、2理想的な家臣像、赤穂義人録、忠義、諫言、人情、当代武士の実態、
文学とは何か、1詩文の楽しみ、義理と人情、漢詩の好尚、中晩唐・宋詩への姿勢、徂徠学的古文辞詩、ふたつの古文、明代古文辞派の問題点、再び徂徠学への批判、2日本古典への造詣、鳩巣と和歌、儒者の和学、和歌と漢詩、古今集を読む
、万葉集の評価、兼好と徒然草、伊勢物語・源氏物語は宝か
再び徒然草の評価、鳩巣の文学感、後代への影響ー駿台雑話の受容史、鳩巣の死、18世紀後半の雑話評、寛政の異学の禁へのつながり、日本を超えてー琉球・蝦夷地、戦前の教科書何が人気の教材であったか、雑話の戦後、思想の側から忠義や節義を知りたい方におススメ、
感想
近世儒学者の和文が外された現代、権力者や多数派に向かって自分の意見を真摯に述べる勇気が欲しい、
まとめ
鳩巣江戸へ、幕儒としての日々、庶民教化の時代、駿台雑話の成立、異学との闘い、武士を生きる、文学とは何か、後代への影響を考察、日本人の道徳観を解明、
ばくりょ
じつに葬急そう