竹取工学物語

本書は竹取物語を工学の視点から解明した結果を紹介するもの、著者は佐藤太裕、北海道大学大学院博士後期課程修了、現在は北海道大学大学院工学研究院副研究院長・教授、

竹取の翁は優れたエンジニアだった

竹取物語はフィクション、かぐや姫のいる「部屋」・竹、工学の視点から竹を見てみると・力学と植物、植物の「形」に潜む謎、竹・竹林に関する「智恵」「言い伝え」とそれを利用する技術、、

竹の「節」がもつ力学的役割

「竹を割る」と「竹を切る」の違い、「曲がる」とはどういうことか、「硬いこと」と「強いこと」、竹が構造力学の研究者に教えてくれること、竹の節がもつ「力学的」役割

竹の「維管束」がもつ力学的役割

維管束の驚くべき多重機能・養分や水分を運ぶ「以外の」重要な役割、維管束は竹断面の外側により多く分布している、「かけた力」と「変形」の関係、維管束が断面の外側により多く分布している理由、維管束分布に隠されたもっとすごい秘密、草本に見られる維管束分布、賢い竹が私たちに教えてくれること、コラム・「我慢強い」竹から学ぶ土木工学、

植物の茎や枝の断面が「丸」であるのは当たり前

茎や枝の断面形状を見てみると、断面が円形ではないさまざまな植物たち、断面の形がもつ構造力学的意味、断面上で起こっていること・「曲げ応力」に抗いやすい断面形、「馬蹄形」の秘密、サラダ・ファミリアの柱の断面形・美しさと力学的機能の両立、

植物が「高さ」を稼ぐための工夫

「背が高くなりたい」という欲求・人間と植物の視点から、巨大なタワー構造の形、樹木が高く成長することの意味・光を得るための戦いとその足かせになるもの、座屈・細長いもの(薄っぺらいもの)が陥る不安定現象、枝葉の重さは・樹木が高くなることの足かせとなる、先端に向かって細くなると・どれくらい高くなりやすいか、柔らかいが・とても背の高い植物、植物の形から私たちが学ぶべきこと、コラム・北国でも使われる竹

「しなり」と「形」を利用した先人たちの智恵と技術

竹を材料として使う、日本人はなぜ竹竿を作るのか?先細り形状が竹竿にもたらす絶妙な効果、竹の性質がもたらす・他の材料ではなし得ない技術、竹がなければ北海道には路面電車が存在しえない、アーチ形状を活かした構造、科学技術の発展と・竹のより高度な利用法、コラム・竹を素材とする万年筆と竹を模倣する万年筆

科学技術に立脚した現代・未来の竹取物語

竹利用の過去・現在・未来、バイオミメティクス(生物形態模倣技術)、「バンブー」ミメティックスもありえる?バイオマス材料としての竹の潜在力、最後に人間社会を豊かにしてくれるもの

まとめ

竹の節・維管束・断面「丸」・高さ・しなりと形を利用した先人の智恵について述べ、未来の竹取物語を語る、

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