異国の夢二

本書は1920~30年代という帝国主義の再編と植民地の独立運動に変容を持ち始めた時期の夢二の外国旅行を取り上げ、異文化との出会いで何を創り、問題点を見出し、感じ取ったかを明らかにした、著者はひろたまさき、京都大学大学院博士課程修了、大阪大学名誉教授、専門は日本思想史、2020年逝去、

外遊に至る道

1誕生から上京まで、夢二の誕生、夢二の絵心、2キリスト教と社会主義・足尾銅山講演会出席、藤島武二と夢二・白馬会、成功への一歩・読売新聞投稿、他万喜との出会い・結婚、3「夢二画集」の成功、「夢二画集・春の巻」・夢二ブーム、夢二の展覧会・成功と海外専門家の評価、第一次大戦で外遊計画の中止、彦乃からお葉に、大正ロマン、4関東大震災、夢二の関東大震災ルポ、夢二設計の少年山荘、スキャンダルの中の自伝小説、恩地幸四郎と夢二、村山知義と夢二、セノオ楽譜、追い求めたモリスの理念、外遊歓送会、外遊ルートの計画、外遊ルートままならず・資金不足と黄禍論、

アメリカ合衆国の世界

1多様なハワイ、天国と地獄のハワイ、講演会と展覧会、唄と踊、伊藤道郎との出会い、2地震と恐怖のサンフランシスコ、サンフランシスコの苦闘、安孫子久太郎の「日米新聞」ストライキ、夢二のスケッチ・日本人移民社会、大恐慌に続く不況、幸徳秋水と片山潜西海岸に左翼政党結成、画家・宮城与徳と同宿、夢二と翁の決別、3別荘地帯ポイント・ロボス、別荘地帯・夢二寄宿、カーメルでの展覧会、夢二の油彩画、「西海岸の裸婦」、アメリカの美術界、宮城君の登場、日本へのメッセージ、4恐慌化のロスアンゼルス、ロスアンゼルスへ、文芸雑談会、UCLA教育学部での展覧会、オリンピックホテルでの展覧会、藤森成吉と夢二、藤森の在米活動、西部女流美術家教会昼食講演会、オリンピックと夢二、5アメリカ滞在をめぐって、モデルと夢二、「青山河」をめぐって、南カルフォルニアの世界、夢二のヌード画、「青山河」には裏面がある、活動の時期区分、困窮の日々、アメリカとの別れ、

あこがれのヨーロッパ

1ヨーロッパ上陸、タコマ号での出会い、ル・アーブルとアントワープ、ハンブルグの赤線地帯、街娼につかまる、ベルリン、2芸術の都パリ、パリに着く、ミュッセとサンドの話、夢二の白昼夢、パリの祭り、「やさしい女」、3織物と戦争のジュネーヴ、リヨンの感激、ジュネーヴ、松岡全権と夢二、ジュネーヴとの別れ、4ベルリンとヒトラー、イッテン・シューレで講義担当、ヒトラーの独断、日本人内の政治的対立、藤林監督の報告・虚報、夢二の展覧会、夢二の日本画論、夢二の教え子、ナチからの脱出、

最後の旅・台湾

1日本最初の植民地、台湾と日本、河瀬蘇北に誘われて、夢二帯台の概要、「評伝」に見る台湾、2昇る武二と沈む夢二、夢二と武二、武二と夢二の因縁、台湾の美術界・台湾人の自主的な美術活動、夢二の台湾の印象、帝国と「制服」・アッパッパ、夢二とアジア、3帰国、そして夢二の死、夢二の死

まとめ

旅は「週刊朝日」の翁久允との二人旅、アメリカで世界恐慌、ヨーロッパでモリスの民衆芸術運動、台湾では白い

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