農漁村女性の記録を収集したもの、著者は川田文子、早稲田大学文学部卒業、出版社勤務を経て文筆業に、著書は「赤煉瓦の家ー朝鮮から来た従軍慰安婦」他、
概要
つい昨日の女たち、子やらいの唄、子産みの話、なおさんの子産み、えじこの構造、なおさんの子育て、お産婆さんの話、麻=農民の衣生活、麻と刺子、布とたばねつき、苧績みの話、越後上布、米のなる木、信州の冬、藁仕事、ある小作争議、唄のある女たち、子守の学校、海女笛の聞こえる島、姥捨紀行、女たちの子守歌、遠い日のアイヌモシリー和人のところへ子守り奉公に行った織田ステさん、川沿いに部落をつくったアイヌの昔語り、祖父母のもとにあずけられたステさん姉妹、季節外れの晴れ衣装、自然の神々と共に生きたアイヌの人々、冬の山仕事を命がけでやったステさん姉妹、初婚の夫と別れて再婚、五人の子を産み育てる、夫の死と二人の男の子の死をのりこえて、ある開拓農婦の痛恨―夫と共に原生林を切り拓いた高野スエさん、玄すぇいりんを切り拓く夢を馳せ、新潟から夫婦で入植、開拓部落共同の託児所を設け、交代で育児の当番、幼くし逝った二人の子、三年間ギブスの中に寝ていた長女、秩父の機織り唄・その1ー12歳で年季奉公に出された青葉はるさん、山国・秩父の人々の暮らしを支えた養蚕と機織り、内職に明けくれる母の手足となって働いた日々、寄宿舎と工場の中での一日、鼻歌のようにくちずさんだ機織りの唄、小遣いを貯めては弟妹たちに土産を買う楽しみ、双方の親から反対された徳重さんとの結婚、機織りの最中に陣痛が、秘密召集で、わずか数日後出征した徳重さん、もう少しで戦争は終わったのに、家族ぐるみ村田工場の中で子らは、秩父の機織り唄その2-機が織りたくて・越後から家出してきた柿境ミヤさん鶴の恩返し、閑散とした雪の里で女たちは麻糸を績んだ、数々の機織り唄に託した織子たちの想い、舳倉島の海女ーカチカラ桶をたよりにアワビをとる白崎三枝さん、輪島港から2時間10分、グイグイと命綱があがる、嬶難儀で父楽なところだった、海土町は昔から自由恋愛じゃ、臨月まで海に潜って、海女ちう者はジメジメしとらん、小作農民の暮らしを支えた女たちー産めよ殖やせよの時代を生きた土田カメさん、他人が忙しい時には手伝う、戦時・わずかな収穫のジャガイモも麦も供出、畑で自分の便を食べてしまった長男、子守同士で羽をのばして遊んだことも、農業はすべてカメさんの双肩にかかっていた、満州移民その1ー戦後・4人の子を連れ帰った高橋たけさん、自分で産んだ子のヘソノオを切る、開拓団指導のため満州に渡った夫を追って、開拓村の男たちにも召集の手が、栄養失調のため・夫と5か月の子を亡くして、故郷へ引き揚げ・農業をした戦後生活、満州移民その2-見棄てられた花嫁たち、折居ミツさん、小原テルさん、高橋たけさん、一枚の写真、見棄てられた人々、軍馬の飼育から野菜づくりへ、満州へ渡る花嫁たち、小原テルさんの場合、飢餓と受難の日々、略奪され強姦されて、女たちの現実ー子を連れてホステス家業を生きる女たち、ホステス募集「託児所付2DK即時入居可」、ホステス家業はボロイ商売、ドンチャン騒ぎの大戦争、僕かぎっ子だから大丈夫、身を売るって何、子を連れて旅に出ようー激しい労働の中で子をうみしだてた女たちと私の子連れ取材考、卵膜のはじける鈍い音、昭和初期における子産み、かっての殺児の風習と現代の母性破壊、働く母のもとでの私の幼児の記憶、子を産むこと、「女たちが語る歴史」を知りちかたにおススメ、
感想
つい昨日の女たちと女たちの子守歌を再編集、子守・農民・移民・機織り・漁業に携わった女性たちの体験した歴史をかたる、
まとめ
子やらいの唄、麻=農民の衣生活、米、唄、女たちの子守唄、を考察、家庭婦人にない異質な空間を描写、2巻のうちの上巻、