本書はシベリヤ狩猟民文化の生命観と山の主・ウマイ母神を考察したもの、著者は荻原愼子、上智大学・東京大学大学院博士課程単位取得退学、現在は千葉大学名誉教授、
1生命の民族史
シベリア諸民族の生命観
生きているということについて、病気・死をもたらす「悪霊」、シベリア諸民族の精神世界
生命を授かる
アイヌでは、北東シベリアの諸民族では、トゥングース語系諸族の霊魂観、南シベリアの諸民族では、西シベリアの諸民族では、
はかなき生命
産屋のこと、生命を脅かすもの、命を脅かすものー物怪、悪霊を回避する、悪霊を陽動するー命名・汚穢な名など、子どもの死、
霊魂の鳥(1)ー樹上葬
嬰児の樹上葬、霊魂の樹、樹上葬の問題、
霊魂の鳥(2)ー鳥竿
チャンスンとソッテ(韓国)、鳥竿とシャマンの補助霊、ラスコー洞窟の鳥人と倭建命・白鳥の間、死霊の鳥
Ⅱ山の主・ウマイ母神
アルタイの山岳崇拝
山の神、シベリアの狩猟民文化ー狩猟漁労採集、アルタイ山岳崇拝-狩猟領域としての聖山、女性に課せられたタブー、山岳崇拝と山の主、アルタイの主・生命を宿す山、
山・ウマイ母神
洞窟絵画のもう一つの図像、シベリア諸民族のウマイー1)「母体・後産など」としてのumai-ome-umaについて、2)出産・子どもの守護神としてのウマイ、3)カルタシュとプゴホス、ウマイと鳥・樹木、山で生命を授かる、天神になったウマイとカルタシュ・プゴホス、山にある生命と樹梢に宿る生命、
日本の山の神
山の神と木樵・狩人、山の神の話、山の神ー産の神、山の神は女神、
シベリアの狩猟民世界
山の主は獲物の配剤者、山は生命の母胎・ウマイ、ウマイー後期旧石器時代の洞窟絵画、
ウマイ母神
人類の拡散ーシベリアの後期旧石器文化、日本の後期旧石器文化ー氷河期の狩猟民文化、生命の山ーウマイ母神
まとめ
シベリヤ諸民族は生命の保全を願って涙ぐましい努力が払われてきた、本書は狩猟民文化の生命観を論じている、