中国人の歴史を記録するこだわりや執念の源を探る、著者は佐藤信弥、関西学院大学大学院文学研究科後期博士課程単位取得退学、専攻は中国殷周史、立命館大学白川静記念東洋文字文化研究所客員研究員、大阪公立大学客員研究員、著書は「西周期における祭祀儀礼の研究」他
概要
記録のはじまり―殷代、第一部・歴史認識、同時代史料から見るー西周~春秋時代Ⅰ、記録文書としての金文、王の歴史・臣下の歴史、天命を膺受し・四方を敷有す、臣下の家の歴史、回顧される西周王朝、西周王朝の正規軍、歴史認識の中の康宮、天命を受ける諸侯、受命の独占の崩壊、昭王南征をめぐって、後代の文献から見るー西周~春秋時代Ⅱ、神話なき国の叙事詩、詩経の成立年代と構成祖先神話とその承認、楚と殷周王朝、中原諸国の事情、第二部・歴史書と歴史観、歴史書と歴史観の登場ー戦国時代、説話で語られる歴史、春秋について、美女の運命、歴史から道理を知る、春秋の筆法、公羊伝の説話、露悪的な竹書紀年、諸子百家の歴史学と歴史観、孔子の歴史観ー夏殷周三王朝の交代、孟子の歴史観ー一治一乱、墨子の歴史観ー万人の万人に対する闘争、韓非の歴史観ー世・異なれば、そして「史記」へー秦~前漢時代、古代の書籍の形態とあり方帛書と簡牘、随意に付けられる書題、校書事業、焚書坑儒の再検討なぜ焚書が行われたか、焚書の実際、史記の編纂、経書から史書へ史記の構成、司馬談の構想、司馬遷の構想、始皇帝・そして武帝、始皇帝の出生譚・遺言、始皇帝に重ね合わせられる武帝、大事紀年から年号へ、大事紀年の登場、年号の誕生、歴史と記述のこだわりや執念の淵源を探索されている方におススメ、
感想
古代中国王朝史とは結局年号に帰着する、年号に対する期待・思惑が交差している、
まとめ
記録のはじまり、歴史認識では、同時代史料から見る、後代の文献から見る、歴史書と歴史観では、歴史書と歴史観の登場、そして史記へ、大事紀年から年号へ考察している、